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妖怪博士-老猎人和名侦探

时间: 2021-10-26    进入日语论坛
核心提示:猟師と名探偵 お話はとんで、その翌々日のお昼ごろのことです。鍾乳洞の近くの、例の老猟師の家を、ひとりの紳士がたずねてきま
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猟師と名探偵


 お話はとんで、その翌々日のお昼ごろのことです。鍾乳洞の近くの、例の老猟師の家を、ひとりの紳士がたずねてきました。鳥打ち帽に旅行服姿の名探偵明智小五郎です。
 少年探偵団員たちが、出発の翌日、日が暮れても帰らなかったものですから、おとうさまや、おかあさまたちは、たいへんご心配になって、明智探偵にご相談なすったものですから、探偵は、夜の明けるのを待ちかねて、警官よりも早く、ひとりで鍾乳洞へ出かけたのです。十一人の団員のおとうさまたちにかわって、少年たちのゆくえを捜索(そうさく)するためです。
 老猟師の家をたずねますと、ちょうどおりよく例のモンペ姿の老人が居あわせて、駄菓子(だがし)などのならべてある店先へ出てきました。
「鍾乳洞のご見物ですか。」老人は、少年たちが洞内へとじこめられたことも知らぬとみえて、のんきにたずねました。
「いや、見物じゃないのです。あんたは鍾乳洞の案内人ですか。」
「はい、そうでがすよ。」
「ぼくは東京の明智というのですが、おとといここへ、中学生や小学生などの、十一人づれの子どもたちが見物に来たはずだが、あんたは見かけなかったかね。」明智探偵がそういって、名刺を出しますと、じいさんは字が読めないらしく、それを見ようともしないで答えました。
「はい、大ぜい来ましただ。それがどうかしたですか。」
「その子どもたちは、鍾乳洞の中へはいったのだろうね。」
「はいりましたとも。案内人はいらねえといって元気ではいっていきましただ。」
「で、あんたはその子どもたちが鍾乳洞から出てくるのを見たかね。」
「いンや、それは見ねえでがす。ふもとに用があって、山をくだっていたでね。だが、見ねえでも、あの少年たちが帰ったのは、まちがいねえですよ。まさか、鍾乳洞の中で寝泊まりもしますめえ。ワハハハ……。」
「ところが、あの子どもたちが、けさになっても、東京へ帰らないのだよ。ここへ来る道でも、駅員や自動車の運転手などにもたずねてみたが、だれも子どもたちが帰るのを、見かけなかったというのだ。だから、ひょっとすると、鍾乳洞の中で、道にまよって出られなくなっているのじゃないかと心配しているのだが……。」
「ヘーン、帰らなかったって? そいつは奇態(きたい)だ。わしは、十六年というもの、ここの案内人をやってるだが、道にまよって出られなくなったなんて、聞いたこともねえでがす。あの少年たち、元気にまかせて、(ふか)(ぺえ)りしたんじゃあんめえかな。」じいさんは腕組みをして、小首をかたむけました。
「じゃあ、深くはいれば道にまようかもしれないというのだな。」
「そうです。わしが案内したって、奥の奥まで行くわけじゃねえし、ましてひとりではいる見物は、おっかながって、ホンの入り口で引きかえしちまうだからね。ほんとうのことをいえば、だれもこの穴の奥を見とどけたものはねえでがす。」
「そうすると、子どもたちは奥深くはいりすぎたのかもしれない。ともかく一度ぼく自身で鍾乳洞の中をしらべてみたいと思うが、案内してくれるだろうね。こうして懐中電灯も用意してきているんだよ。」
 明智探偵はポケットから、小型の懐中電灯をとりだして見せました。
「ようがす。じゃあ、これからすぐに、穴の中へはいってみますべえ。」じいさんは気軽にいって奥の間へ立っていきましたが、何かゴトゴトやっていたかと思うと、すぐ店先へ引きかえしてきて、そこの土間にあった、きたないぞうりをひっかけ、先に立って歩きだすのでした。
 明智探偵も、ステッキをつきながら、そのあとにしたがいましたが、ふたりが猟師の家を十メートルもはなれたころ、その家のかげから、ひとりのみょうな人物がソッと姿をあらわしました。その人物は、このあたたかいのに、黒い将校マントのようなものを頭からスッポリかぶって、顔はもちろんからだじゅうをおおいかくし、まるで泥棒かなんぞのように足音をしのばせて、ふたりのあとを尾行しはじめたのです。
 このあやしげな人物は、いったい何者でしょう。もしかしたら二十面相の手下ではないか。いや、手下ではなくて、二十面相自身かもしれません、二十面相はそうして明智探偵のあとをつけて、洞くつの暗やみの中で、何かおそろしいたくらみをしようというのではありますまいか。それがはたして二十面相であったか。それとも二十面相などよりはもっともっと意外な人物であったかは、まもなくわかるときがくるでしょう。いずれにもせよ、読者諸君はこのあやしげな人物のことを、よく記憶しておいていただきたいのです。
 猟師のじいさんも、明智探偵も、そんな尾行者があるとは少しも気づかぬようすで、何か話しながら、鍾乳洞の入り口に近づき、そのまま洞くつの中へはいっていきました。すると、黒マントの人物も、ふたりのあとから、ソッとすべりこむように、その洞穴(ほらあな)の中へ姿を消したではありませんか。
 鍾乳洞にはいりますと、明智探偵はすぐさま懐中電灯を点火して、それをふりてらしながら、じいさんのあとについて進みました。じいさんはなれたもので、せまい岩穴の中を、少しもためらわず、グングンはいっていきます。ところが、そうして、二十メートルほども歩いたときでした。じいさんのあとにしたがっていた明智探偵が、「アッ。」とさけんだかと思うと、懐中電灯の光が消えて、あたりは真のやみになってしまいました。
「おや、どうしただ? ころんだのかね。気をつけねえと、足もとがあぶねえだから。」じいさんがやみの中でうしろをふりかえりました。
「いや、ちょっとつまずいたんだよ。そのひょうしに懐中電灯を落としてしまって、ああ、あったあった。さあ、もう大じょうぶだから、かまわないで進んでくれたまえ。」明智は、拾いあげた懐中電灯をふたたび点火して、元気にふりてらして見せました。
 そうして電灯が消えていたのは、ほんの三十秒ほどのあいだでしたが、それにしても、少年たちでさえ、そんな入り口の近くでは、だれもつまずかなかったのに、日ごろ注意ぶかい名探偵が、懐中電灯をとりおとすなんて、少しへんではありませんか。それには何か深いわけがあったのではないでしょうか。
 しかし、それからあとは、べつだんのできごともなく、ふたりは、洞くつの奥へ奥へと進んでいきました。ちょうど少年たちの通った道と、じいさんのいつも案内する道と同じだったとみえ、広い部屋のような洞くつをすぎて、やがて、例の深い井戸のような穴のある道へ出ました。
「ここに橋があるだから、気をつけて。いいかね。足をふみはずしたら奈落(ならく)の底へおっこちるだ。」
 見れば、いつのまに、だれがもとにもどしたのか、例の板の橋がちゃんとかかっているのです。ふたりはその上をしずかにわたりましたが、すると、じいさんは何を思ったのか、今わたったばかりの橋の板を、いきなり持ちあげて、アッと思うまに、深い穴の底へ投げこんでしまいました。
「おい、何をするんだ。橋がなくなったら、ぼくたちは帰ることができないじゃないか。」明智が、おどろいてたずねますと、じいさんは、懐中電灯の光の中で、ニヤニヤと笑いながら、みょうなことを言いだしました。
「じゃあ、おまえさんは帰るつもりだったのかね。」
「わかりきった話じゃないか。きみは、いったい何を考えているんだ。」
「エヘヘヘ……、ここは地獄の一丁目といってね。一度わたったら二度と帰れねえところさ。」
「エッ、なんだって。おい、じいさん、きみは気でもちがったのじゃないか。」
「ウフフフ……、明智先生、きょうは少しさとりがにぶいようですね。まだわかりませんかね。」
 ああ、それはどうしたというのでしょう。今まで山奥の猟師とばかり思っていたじいさんが、にわかに若々しい声になって、東京弁を使いはじめたではありませんか。
「エッ、それじゃあきみは……。」さすがの明智探偵もギョッとしたらしく、手にする懐中電灯の光がはげしくゆれ動きました。
「だれだと思うね。え、明智先生、こわくていえないのかね。ハハハ……、きみのさがしまわっている蛭田(ひるた)博士さ。もう一つの名は二十面相ともいうよ。ハハハ……、どうだね。いくら名探偵でも、まさか鍾乳洞の案内人が二十面相とは気がつくまい。
 きみがさがしている少年たちは、いうまでもなく、おれがこの洞くつの奥へとじこめたのだよ。きみは知るまいが、この洞くつには人間ほどもある大コウモリの化け物がすんでいるのだ。少年たちは、その大コウモリにおそろしいめにあったのだよ。そして、今では十一人が十一人とも、迷路の中で、餓死を待つばかりのあわれな身のうえなのさ。その大コウモリというのは、じつは、このおれが化けたのだ。二十面相は人間ばかりではなくて、動物にも変装する術をこころえているのだよ。ハハハ……。」
「で、ぼくをどうしようというのだね。」明智探偵は、少しもうろたえないで、しずかにたずねました。
「十一人の少年たちと同じめにあわせてやるのさ。餓死だよ。きさまが生きていては、どうもじゃまになって、しかたがないのだ。おれはいく度、きさまのためにあぶないめにあったかしれやしない。だから、これからは、まったく手出しのできないようにしてやるのさ。
 おれは人殺しはきらいだ。だが、きさまときさまの手下の小僧たちが、かってに餓死するのは、おれの知ったことじゃないからね。ハハハ……、なんとうまい考えじゃないか。きさまたちの墓場には、この鍾乳洞はじつにおあつらえむきの場所だぜ。オッと、ポケットへ手をやっちゃいけない。それよりこちらの弾丸(たま)のとびだすほうが早いのだからね。」じいさんに化けた二十面相は、いつのまにかピストルをにぎって、じっと明智探偵の胸にねらいをさだめていました。わが身を守るためならば、きらいな人殺しもしかねないけんまくです。
 明智探偵は、ポケットに用意していたピストルをとりだすこともできないで、立ちすくんでしまいました。ああ、十一人の少年探偵団員はもとより、名探偵明智小五郎までが、まんまと二十面相のわなにかかったのです。かんじんの案内人が二十面相に早がわりしてしまったうえに、板の橋までとりさられたのですから、いくら名探偵の知恵でも、この暗やみの迷路をぬけだすことはできません。
 では、われらの明智探偵は、ついに二十面相のために打ちまかされたのでしょうか。そして、十一人の少年たちとともに、この鍾乳洞の中に餓死する運命なのでしょうか。
「ワハハハ……。ゆかいゆかい、おれはこんなゆかいなことは生まれてからはじめてだよ。名探偵が二十面相のためにとりこになって、手も足も出ないなんて。では、探偵さん、きみの部下の少年たちのところへ案内しようかね。あの少年たちが、なまいきにおれの仕事のじゃまをしたばかりに、どんなみじめなようすで、泣きわめいているか、ひとつそれを、ゆっくり見物するんだね。ハハハ……。」二十面相は、にくにくしく言いながら、明智の背中にピストルの筒口(つつぐち)をおしつけて、洞くつの奥へ奥へと、連れていくのです。

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