「部長刑事《ちようさん》、これは高級住宅地だよ。東京で言えば、田園調布や成城に匹敵するんじゃないかな」
 と、言った。
 高峰家の電話は、なかなか出なかった。
(実家の方に、何か異変の知らせが入ったのだろうか)
 部長刑事の胸に不審が広がり始めたとき、
「お待たせしました」
 ようやく返事があった。中年と覚しき、品のいい女性の声だった。
「村松真理さんのお母様ですか」
 部長刑事は先方を確認し、自分の立場を説明した。
「刑事さん? 警察の方が何のご用でしょうか」
 母親の声は落ち着いていた。高峰家では異変に気付いていないようだし、さっきのテレビニュースも見てはいないらしい。
 部長刑事は、背後の刑事課長をちらっと振り返ってから、受話器を握り締めた。
「もしもし、真理さんは仙台から上京されているのですが、どこへ泊まっているか、お母様の方に、連絡がありましたか」
「は?」
 母親は、質問の意味が分からないというような小声になり、しばらくの間を置いてから、こたえた。
「あの子がどうかしたのですか。真理なら、いま家におりますけど」
「家にいる?」
 本当ですか! と、言いかけて、部長刑事は語尾を飲み込んだ。
 真理は、横浜の実家に泊まっているけれど、昨夜外出から帰るのが遅かったので、今朝はまだ眠っているという。
 村松真理は生きているのか。では、池畔で刺殺された女はだれだろう?
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