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中国怪奇物語009

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  白百合(しらゆり)の精 〓(えん)州の徂徠(そらい)山に光化寺という寺がある。この寺の一室を借りて、読書に専心してい
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   白百合(しらゆり)の精
 
 
 
 
 〓(えん)州の徂徠(そらい)山に光化寺という寺がある。この寺の一室を借りて、読書に専心している書生がいた。
 夏のある日、疲れた眼をやすませようと、廊下へ出て壁画を眺めていると、どこからともなく、白衣に身をつつんだ美人があらわれた。年のころは十五、六。書生は今までにこれほど美しい娘を見たことはなかった。
「どこからおいでになったのです」
 ときくと、娘は笑いながら、
「この山のふもとに家がございます」
 といった。書生はほれぼれと娘を見つめ、部屋へ誘い込んで、ちぎりを結んだ。そのあとで娘はいった。
「田舎娘とお見捨てにならず、これからもお情けをかけてくださいませ。今日はこれで帰らなければなりませんけれど、近いうちにまたまいります」
 書生は何とかして引きとめようとしたが、娘はどうしても今日は帰らなければならないといって、きかない。そこで書生は、日ごろ大切にしている白玉(はくぎよく)の指輪を娘にわたして、
「これをあげる。これを見たらわたしのことを思って、早くまたきておくれ」
 といい、娘を送って行った。すると娘は、
「家の者が迎えに出ているかもしれませんので、ここでもうお帰りになってください」
 といってことわった。書生は娘と別れるとすぐ山門の上へのぼり、柱のかげに身をかくして見ていると、娘の姿は百歩ばかり行ったところで、かき消えるように見えなくなってしまった。
 書生はその場所をおぼえておいて、すぐそこへ行ってみたが、小さい木や草が繁っている原っぱで、かくれるような場所などないのに、娘はどこへ行ってしまったのか、わからなかった。やがて日が暮れてきたので帰ろうとして、ふと見ると、一本の百合が眼についた。綺麗(きれい)な白い花をつけている。書生がその根を掘りおこしてみると、根は両手ではさまなければ持てないほどもあって、普通の百合の根よりも何倍か大きかった。
 寺へ帰ってから書生は、その大きな球根の皮を一枚ずつはがしてみた。百枚ちかくもある皮をすっかりはがしたとき、娘にわたした白玉の指輪が出た。書生はびっくりし、百合の根を掘りおこしたことを後悔したが、皮をみなはいでしまった今となっては、もうどうすることもできない。書生は後悔のあまり病気になり、十日たつと死んでしまった。
唐『集異記』 
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