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中国怪奇物語106

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  三つの運 洛陽に盧(ろ)杞(し)という人がいた。 後に宰相になった人だが、まだ若くて貧乏ぐらしをしていたときのことで
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   三つの運
 
 
 
 
 洛陽に盧(ろ)杞(し)という人がいた。
 後に宰相になった人だが、まだ若くて貧乏ぐらしをしていたときのことである。そのころ盧杞が借りていた小屋の隣りに、麻(ま)氏という婆さんが、ひとりで住んでいた。
 あるとき盧杞は病気になって一月あまりも寝こんだが、その間この婆さんは毎日盧杞の小屋にきて、薬を前じたり粥(かゆ)を作ってくれたりした。
 病気がなおってから、ある日の夕暮、盧杞が外から帰ってくると、麻婆さんの小屋の前に、黄金の飾りのついた牛車がとまっていた。盧杞がびっくりして、そっと小屋の中をのぞいてみると、十四、五歳の、仙女にちがいないと思われるほどの美しい女が、婆さんと話しあっていた。
 盧杞は不思議でならなかったが、声をかけるわけにもいかず、自分の小屋へ帰って様子をうかがっていると、まもなく女の帰っていく気配がした。
 翌日、盧杞は麻婆さんにたずねてみた。
「もしかしたら、わたしはまだ病気がなおっておらずに、熱にうかされて夢を見たのかもしれませんが、昨夜、お婆さんのところへお客さんが見えなかったですか」
 すると婆さんは笑って、
「ああ、知っていなさったのか」
 といった。
「それじゃ、夢ではなかったのですね。まるで仙女のような美しい人でしたが……」
 盧杞がそういうと、婆さんは、
「あの人と結婚する気はありませんかね。もしその気があるなら、話してみますよ」
 という。盧杞が、
「わたしは貧乏人で、家柄も低いし、とてもそんなことは望めません」
 というと、婆さんは、
「なに、そんなことはかまいませんよ。どうやら気がおありのようですね。話してみましょう」
 という。
 その夜、婆さんは盧杞の小屋にやってきていった。
「話がつきましたよ、三日間精(しよう)進(じん)潔(けつ)斎(さい)してください。それがすんだら町の東の荒れ寺で会いましょう。そのときお引きあわせします」
 三日たって、約束の時刻にいってみると、その寺は人が住まないようになってから久しくなるらしく、古木や雑草が鬱(うつ)葱(そう)と生い繁っていて、どこをどう踏み分けてゆけばよいのかもわからない。
 戸惑っていると、にわかに雷が鳴り、稲妻が光り、雨が降り風が吹きだしたと見るまに、忽(こつ)然(ぜん)として楼台があらわれた。黄金づくりの御殿には珠玉を綴ったとばりが下げられ、荒れはてていた境内は花咲く庭園にかわった。と、そこへ妙(たえ)なる楽(がく)の音(ね)がきこえてきて、空からきらびやかな牛車が降りてきた。乗っているのは、麻婆さんの小屋の中で見たあの女である。女は牛車から降り、盧杞に挨拶をして、いった。
「わたしは天女なのです。天帝さまのおいいつけで、下界にくだって夫を求めていたのですが、あなたに仙人の相がおありなのを見て、麻婆さんにわたしの気持を伝えてもらいました。どうか、あと七日間、潔斎してくださいませ。そのあとでまたお目にかかりましょう」
 そして、麻婆さんを呼んで、二粒の仙薬を渡した。また黒雲が垂れこめてきて雷が鳴り、あたりはもとどおり古木や雑草の生い繁った荒れ寺に返って、天女の姿はもうなかった。
 麻婆さんは盧杞をつれて家に帰ると、天女のいったとおりに七日間の潔斎をさせてから、二粒の仙薬を渡して、
「地面を掘って、種を蒔(ま)くようにこれを蒔きなさい」
 といった。
 盧杞がそのとおりにして土をかぶせると、同時に芽が出、蔓が伸び、花が咲き、実を結んだが、その実は見る見るうちに大きくなって、二石(こく)入りの甕(かめ)ほどの大きさの瓢(ひよう)箪(たん)になった。瓢箪は二つあった。
 麻婆さんは刀で瓢箪をくりぬき、盧杞に桐(とう)油(ゆ)びきの着物を三枚ずつ用意させると、一つの瓢箪の中へ盧杞をはいらせてから、自分ももう一つの瓢箪の中へはいった。
 二人がそれぞれ瓢箪の中へはいってしまうと、風がおこり雷が鳴って、瓢箪は空へ舞いあがった。耳にきこえてくるのは波のような音ばかりである。しばらくすると盧杞は寒くなってきた。と、婆さんの、
「桐油びきの着物を一枚着なさい」
 という声がきこえてきた。盧杞はそうしたが、時がたつにつれてますます寒くなるばかりで、まるで雪か氷の中にとじこめられているような思いであった。と、婆さんの声がきこえてきた。
「あとの二枚も着なさい」
 いわれたとおりにすると、暖かくなってきた。しばらくすると、
「もう、洛陽から八万里ほど離れました」
 という婆さんの声がきこえてきた。暖かくなってきて、盧杞がうつらうつらしていると、やがて瓢箪がとまった。
「出なさい」
 と婆さんがいった。出て見ると、水晶の塀(へい)にかこまれて、黄金づくりの宮殿や楼台が見えた。宮殿は甲冑をまとって戈(ほこ)を横たえた数百人の兵士によって守られていた。兵士たちは二人を見ると路をあけて、宮門へ通した。麻婆さんはさきに立って中へはいり、中央の宮殿で盧杞を天女にひきあわせた。天女の左右には百人の侍女が並んでいる。天女は盧杞を席につかせ、酒を出してもてなした。麻婆さんは警固の兵士たちの列までさがって、そこに控えた。
 そのとき、天女が盧杞にいった。
「あなたには三つの運があります。そのうちの一つをお選びください。一つは、いつまでもこの宮殿に住んで、天にひとしい寿(じゆ)をたもつことです。一つは、地上の仙人になって、普段は俗界に住み、ときどきここに来られる身分になることです。一つは、俗人になって中国の宰相となることです。どれをお選びになりますか」
「いつまでもここに住んで、天にひとしい寿をたもつことこそ、至上の念願でございます」
 盧杞がそう答えると、天女はよろこんでいった。
「ここは水晶宮です。わたしは太陰夫人といって、仙界では高い格式を持つ身です。あなたはこれで、白日昇天して俗人から仙人になったわけですが、いったん心を決めた以上、あとで心がわりのするようなことはないでしょうね」
 盧杞はこのまま俗界と離れてしまうのかと思うと、ふと淋しい気もしたが、
「決してそのようなことは……」
 といった。太陰夫人はうなずいて、
「それでは天帝に申し上げることにいたします」
 といい、侍女に青い紙を持ってこさせて、上奏文を書いた。
 しばらくすると、東北の方角から声がきこえてきた。
「天帝のお使者が見えました」
 その声がきこえると、太陰夫人と侍女たちはいっせいに下座へ移った。盧杞もそのとおりにした。まもなく、朱衣をまとった使者があらわれ、宮殿の正面に立って天帝の言葉を伝えた。
「盧杞よ。太陰夫人の報告によれば、そなたは永久に水晶宮に住みたいとのことであるが、しかと左様か」
 盧杞はそのとき、さきに太陰夫人に念をおされたときよりも、さらに淋しい思いに襲われて、答えることができなかった。
「早くお答えなさい」
 と太陰夫人のうながす声をきくと、いっそう答えられなくなって、黙ったまま頭を垂れていた。太陰夫人はそれを見ると、侍女を奥の間へ走らせて、鮫(こう)〓(しよう)を五疋持ってこさせ、それを天帝の使者に贈って、
「しばらく、ご猶(ゆう)予(よ)をお願いします」
 といった。鮫〓というのは、南海に住む人魚が海の底で織った絹である。使者はそれを受け取ると、しばらく休んでから、またたずねた。
「盧杞よ。心は決ったか。そなたは水晶宮に住みたいか、地上の仙人になりたいか、それとも俗界で宰相になりたいか。こんどこそはっきりと答えねばならぬぞ」
 盧杞はそのとき大声でいった。
「俗界の宰相!」
 朱衣の使者はそれをきくと、そのまま身をひるがえして出ていった。太陰夫人は顔色をかえて、
「これは麻婆の失態だ。早くこの者を俗界へつれもどしなさい」
 といい、兵士たちに盧杞をもとの瓢箪の中へおしこめさせた。
 また波のような音がきこえだしたと思うと、いつのまにか盧杞はもとの小屋に帰ってきた。くずれかけた壁も、塵のたまった寝台も、もとのままであった。時刻は真夜中で、外へ出てさがしてみたが、瓢箪も麻婆さんも、どこにも見あたらなかった。
 盧杞は後に宰相になったが、陰険であったため人に恨まれて失脚し、配所で死んだ。
唐『逸史』 
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