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中国怪奇物語141

时间: 2019-05-28    进入日语论坛
核心提示:  あかずの間 平陽の知事に朱(しゆ)鑠(れき)という人がいた。 はなはだ残忍な性格で、罪人を苦しめるために特に重い首(
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   あかずの間
 
 
 
 
 平陽の知事に朱(しゆ)鑠(れき)という人がいた。
 はなはだ残忍な性格で、罪人を苦しめるために特に重い首(くび)枷(かせ)をつくったり、太い棒をつかったりした。殊に女を苦しめることをよろこび、妓女などがひかれてくると、一糸もまとわぬ丸裸にして、容(よう)赦(しや)なく打ちすえては、その苦しみのたうつさまを見てたのしんだ。罪の軽重にはかかわりなく、容貌の美しい者ほど刑罰を重くして、黒髪を剃(そ)ってくりくり坊主にしたり、はなはだしきにいたっては小刀で鼻の穴をえぐったりした。
 このような残忍なことをしながら、彼は、自分は美人を見ても心をうごかすことのない鉄石心を持つ者だと人に誇っていた。特に女に対して残酷なことをするのは、美人の美をうしなわしめてしまえば美貌にまよう者はなくなり、従って世の道楽者もなくなるからだなどといった。
 やがて朱鑠は平陽の任期が満ちて、山東へ転任することになり、家族をつれて任地におもむく途中、荏(じん)平(へい)というところの宿に旅装を解いた。そのときのことである。宿に、扉を釘(くぎ)づけにした一棟があるのを見て、主人にそのわけをたずねると、以前そこにはしばしば妖(あや)しいことがおこったので、長いあいだあけずにいるとのことであった。朱鑠はそれをきくと、あざ笑っていった。
「それはおもしろい。なにごとがおこるか、おれが泊ってみよう」
「およしになったほうがよろしゅうございましょう。もしものことがあったら、とりかえしがつきません」
 主人がそういってとめると、朱鑠は怒って、
「ぐずぐずいわずにあけろ。妖怪など、おれはこわくない。おれの威名をきけば、おそらく妖怪も逃げてしまうであろうが、もし出てくれば、なおおもしろい。たちどころにおれが退治してやる」
 といった。
「いいえ、およしになってくださいませ」
 主人がおなじことをいってひきとめると、朱鑠はいよいよ怒って、
「きさま、このおれをあなどる気か……」
 とどなった。
「いいえ、さようなことはございません。ただ、おとめしているだけでございます」
「なぜとめる。とめることが、おれをあなどっていることだ」
「いいえ、知事さまの平陽県での威名はわたくしどももよく承知しております。おそれこそすれ、どうしてあなどったりなどいたしましょう」
 そういう主人の顔は、かすかに笑いをうかべているように見えた。朱鑠はそれを見(み)咎(とが)めて、いきなり主人を打(ぶ)った。主人の顔は、打たれながらもなお、笑いをうかべているように見えた。
 朱鑠の家族の者もしきりにやめさせようとしたが、朱鑠はどうしてもきかず、とうとう主人にその家の扉をあけさせ、妻子たちは別の部屋へ泊らせて、自分ひとり、剣を握り燭(しよく)をたずさえて中へはいっていった。
 宵のうちはなにごともなかった。妖怪もおそれをなしたと見える、と朱鑠は横になった。しかし気をくばって眠らずに待っていると、夜もようやくふけたころ扉をたたく音がきこえた。
 黙って気配をうかがっていると、扉をあけてはいってきたのは、白い鬚(ひげ)を垂れ、赤い冠をかぶった老人だった。朱鑠が剣をにぎりなおして身構えると、老人はうやうやしく一礼をしていった。
「わたしは決して妖しいものではありません。この地方の土地の神です。あなたのように剛勇の方がこの地をお通りになったことは、妖怪どもの殲(せん)滅(めつ)される時期がきたものと、よろこびにたえず、それゆえご挨拶にまいったしだいです」
 朱鑠は半信半疑で、剣を構えたままじっと老人を見つめていた。あるいはこれが妖怪かもしれぬ、もし妖しいふるまいにおよんだら、たちどころに斬り伏せてしまおうと心をくばっていた。すると老人はいった。
「あなたのような方が、神と妖怪とをお見わけにならないはずはないと思います。つきましては、土地の神として、お願いしたいことがありますが、きいてくださいますでしょうか」
「いってみられよ」
 と朱鑠はいった。
「おそらく、やがて妖怪どもが続々とあらわれると思います。かれらは一目見ればすぐそれとわかりますゆえ、姿が見えたらただちにその剣で片っぱしから斬り殺してください。猶(ゆう)予(よ)なさいませんように。わたしもおよばずながら、かげでご助力させていただきます」
「よろしい。承知しました」
 と朱鑠は大きくうなずいた。
「あなたのご勇武のほどは、よく承知しておりますが、なんといっても相手は妖怪のこと、おぬかりのないように願います」
「ご念にはおよびません」
「それでは、お願い申します」
 老人は一礼して帰っていった。
 朱鑠は剣をにぎって待ちかまえていたが、いくら待っても妖怪はあらわれなかった。やがて、ようやく夜の白みかけてきたころである。なにやらひそひそとささやく声がきこえ、扉をおしあけて、青い顔のもの、白い顔のもの、大きなもの小さなものらが、つぎつぎにしのびこんできた。朱鑠は無言でおどりかかってゆき、あの老人のいったとおりに、片っぱしからかれらを斬りたおした。さして手(て)強(ごわ)い相手もなく、みなを斬り伏せてしまうと、なおも扉のほうにむかって身構えていたが、もはやあとにつづくものはなかった。
「残らず妖怪どもを退治したぞ!」
 朱鑠はあふれるような満足感をおぼえて、宿じゅうにひびくような大声でそう叫びつづけた。
 すでに夜はあけそめていた。主人をはじめ宿の者らがその声をきいて、かけつけてきた。部屋のなかには果して幾つもの死体が血を流して横たわっていた。それを見た人々は、いっせいにみな「あっ!」とおどろきの声をあげた。得意げに突っ立っている朱鑠の前で、人々はあまりのおそろしさに、しばらくは言葉も出なかった。「おお」「おお」というばかりである。
「うん。さして、手強い相手でもなかったぞ!」
 といって、朱鑠は誇らしげに昨夜からの顛(てん)末(まつ)を話した。
「いや、あなたはたいへんなことをなさいました」
 と、そのときはじめて主人がいった。その顔はやはり、かすかに笑っているように見えた。
「知事さま、よくごらんなさいませ」
 そこにたおれている死体は、朱鑠の妻や妾や、息子や娘たち、それに下男や下女たちだったのである。主人にいわれてはじめてそれを知った朱鑠は、どっと床(ゆか)にたおれ、肺腑をえぐるような声をあげて嘆(なげ)いた。そして、主人を指さして、
「きさま、おれをたぶらかしやがって!」
 と叫んだかと思うと、そのまま息絶えてしまった。
 朱鑠の家族たちは、夜の白みかけたころ、主人の安否を気づかってみんなでのぞきにきたのだった。
 宿の主人が術者だったのかどうかはわからない。朱鑠のかずかずの残忍な行為の報いが本人はもとより家族にまで及んだものであろうとして、宿の主人は格別の咎(とが)めを受けることもなくすんだという。
清『子不語』 
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