笑府
貧乏な男が女房の妹を家に泊めたが、夜具が一つしかないので、足の方へ逆に寝させたところ、夜中に妙な気になって、つい、犯してしまった。
あとで妹がそのことを両親に訴えたので、男はいった。
「それはちがいます。互いちがいに寝たものだから、足の指がはいったのをまちがえているのです」
すると妹がいった。
「足の指があんなにてらてら光っているはずはありません。足の指があんなにかっかと熱いはずはありません。足の指があんなに長くて爪がないはずはありません。足の指にあんなにもじゃもじゃと毛が生えているはずはありません。足の指があんなにつるりと中へはいるわけはありません」
父親がそれをきいて母親にいった。
「ばあさん、そうするとやっぱりへのこだろうな」