笑苑千金
あるお宮の神様は、願をかけるとどんなことでもかなえてくださるという有難い神様であった。
ある日、一人の男が願をかけた。
「明日はどうか天気にしてくださいますよう。もしわたくしの願いをかなえてくだされば、羊の頭をお供えいたします」
そしておみくじを引くと、かなえられると出た。その日、別の男も願をかけた。
「明日はどうか雨を降らしてくださいますよう。もしわたくしの願いをかなえてくだされば、豚の頭をお供えいたします」
そしておみくじを引くと、かなえられると出た。
その夜、神様は奥方にいった。
「明日は天気だったら羊の頭が食べられるし、雨が降ったら豚の頭が食べられるぞ」