諧〓録
呉の国主孫権(そんけん)がたわむれて、太子の亮(りよう)にいわせた。
「諸葛恪(しよかつかく)は、馬糞を一石(こく)食べる」
すると諸葛恪が孫権に答えていった。
「臣が君にたわむれることができ、子が父にたわむれることができますならば、どうか太子に鶏卵を三百個食べさせてくださいませ」
「人がそなたに馬糞を食べさせようというのに、そなたは人に鶏卵を食べさせようとする。これはいったいどういうわけだ」
孫権がそういうと諸葛恪は答えた。
「出る所が同じだからです」