笑得好
ある息子、北京から郷里に帰ってきて、事ごとに北京のことをほめる。月の夜、父親といっしょに道を歩いていると、誰かが、
「今夜の月はいい月だなあ」
というのがきこえた。すると息子は、
「こんな月のどこがいいんだ。北京の月はこんなものよりずっとすばらしいよ」
といった。父親がそれをきいて怒り、
「月は世界に一つだ。なんで北京の月だけがよいものか」
といって、息子に拳骨をくらわした。息子は泣きべそをかきながらも、
「そんな拳骨なんか珍らしくないよ。お父さんは知るまいが、北京の拳骨はそんなものよりもずっとすばらしいよ」