笑府
ある男、竹竿を持って城門をはいろうとし、横にしてみたがはいらず、縦にしてもはいらず、切るのも惜しいので困っていると、それを見ていた人たちが、
「千里向うに李三老(りさんろう)という知恵者がいるから、その人に相談してみるがよい」
といった。すると、ちょうどうまい具合にその李三老が驢馬(ろば)に乗ってやってきた。人々は大よろこびで、かけ寄って行って迎えたが、見れば李三老は驢馬の尻の上に乗っている。そこで、
「なぜ真中にお乗りにならないのですか」
ときくと、李三老は、
「手綱が長いのでな」
といった。