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中国笑話集525

时间: 2019-07-26    进入日语论坛
核心提示:鏡の中の奴隷啓顔録   〓(う)県の董子尚(とうししよう)という村の人々は、おめでたい人々ばかりであった。 ある老人が息
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 鏡の中の奴隷
 
                                                                     啓顔録  
 
 〓(う)県の董子尚(とうししよう)という村の人々は、おめでたい人々ばかりであった。
 ある老人が息子に銭を渡し、長安(ちようあん)の市場へ奴隷を買いに行くようにいいつけて、
「長安の者は奴隷を売るときには、たいてい、奴隷には知らせずに、どこかへ隠しておいて、そっと掛け合って値段をきめるそうだ。そういう奴隷がよい奴隷だということだから、そんなのを買ってくるように」
 といった。
 長安の市場へ行った息子は、鏡屋の前を通ったとき、鏡に映った自分の顔を見て、これは若くて強そうだ、きっと市場の者がよい奴隷を売ろうと思って、それを鏡の中に隠しているのにちがいないと思い、その鏡を指さして、
「この奴隷を買いたいと思うのだが、いくらかね」
 ときいた。市場の者は、おめでたい男だと知って、
「十貫文です」
 と吹きかけた。
「よし、買った」
 息子は銭をはらって鏡を受け取り、ふところへ入れて家に帰った。父親が、
「買ってきた奴隷はどこにいるのだ」
 ときくと、息子は、
「ふところの中にいるよ」
「出して見せろ」
 父親が息子の出した鏡を見ると、眉も鬚(ひげ)も真っ白で、顔は黒く皺(しわ)だらけの老人が映っているので、大いに怒って、
「十貫文もの大金を出して、こんな老いぼれの奴隷を買ってくるばかがどこにいるものか」
 と杖をふり上げて殴りつけた。息子が逃げて母親に救いを求めると、母親はまだ幼い娘を抱いたまま走り出てきて、
「どれ、わたしにその奴隷を見せて」
 と鏡をのぞいて見るなり、夫に向って、
「この、ばかじじい! 息子がたった十貫文で母娘(おやこ)二人の下女を買ってきたのに、それを高いだなんて」
 といった。老人はよろこんで息子をゆるしたが、どこにも奴隷の姿が見えないので、家じゅうの者はみな奴隷は隠れていて出てこないのだと思っていた。
 たまたま近所に巫婆(み こ)がいて、村ではその巫婆のいうことがよくあたるという評判だったので、老人はその巫婆のところへ、奴隷がなぜ隠れたまま出てこないのかをききに行った。すると巫婆は、
「神さまも食べなければ生きてはいけません。まだお金が足りないので、神さまは奴隷を隠しておいでなのです。吉日を選んで十分にお金を用意して、もういちどお願いにいらっしゃい」
 といった。老人はそこで金を用意し、ご馳走をたくさんととのえて、巫婆を招いた。巫婆はやってくると、鏡を入口に掛けて歌舞をした。村人が大勢やってきてそれを見物し、みんなで鏡の中を覗き込んだが、覗いた者はみな口々にいった。
「この家には運がついてきた。よい奴隷がたくさん買えたものだ」
 ところが、鏡の掛け方がしっかりしていなかったため、巫婆が歌舞をしているうちに落ちて二つに割れた。巫婆はそれを拾って覗いて見たが、どちらの鏡にも自分の顔が映っているのを見て、大いによろこんで老人にいった。
「神さまが福を授けられました。一人の奴隷が二人の下女になりましたよ」
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