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美女入門73

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:不倫中毒 最近我々の周辺をにぎわせている事件がある。 不倫をしているA子という若い女性が、相手の家へ乗り込んでいって、家
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 不倫中毒
 
 
 最近我々の周辺をにぎわせている事件がある。
 不倫をしているA子という若い女性が、相手の家へ乗り込んでいって、家財道具をむちゃくちゃにしたという。が、不思議なことに男の方は彼女のその情熱にさらに魅《ひ》かれ、二人は今、同棲《どうせい》をしているそうだ。ちなみに奥さんの方は、いろんなショックで精神科に入院したというから、ホラーのような怖い話である。
「私は彼女ほど凄《すご》いことは出来ないけど、気持ちはわかるな」
 と言うのは、やはり二十代のB子である。彼女はやはり妻子持ちの男性と熱愛中なのであるが、あちらの男性は、日曜日にケイタイの電源を切ってしまう。それが口惜《くや》しくて悲しくて、長い長い恨みつらみの手紙を書くんだという。
 みんないろいろ苦労しているんだ。だから人のダンナさんとそんなことしちゃいけない。世の中には若い独身の男のコがうろうろしてるんだから、その中から見つけなさい、何ていうことを私はもちろん言わない。
「他人の不幸は蜜《みつ》の味」
 と言うが、それよりもさらに濃く、ねっとり甘く、コンデンスミルクを混ぜ合わせたようなのが不倫ではなかろうか。
 大昔の話であるが、不倫が発覚した女優さんがこう言ったことがある。
「好きになった人に、たまたま奥さんがいただけです」
 これは名言ということになっているが、半分は嘘だと思うな。若い女性の心の中には、一回ぐらい妻子持ちとつき合ってみたい、という気持ちが潜んでいる。また同じように、うんと女たらしで、悪い評判のたっている男とも短い間だったら、恋愛してみたいという願望もある。
 どんな風に女を口説いているんだろうか。その先にはうんとドラマティックなことがあるんじゃないか、という期待ですね。
 不倫だとドラマみたいなことが起こりそう。私の友人は、やはり妻子持ちとつき合った時、
「君の人生をめちゃくちゃにしたい」
 と言われたそうだ。やっぱりこういうセリフは、若い同じ年ぐらいの男の口からは出てこない。別れるまでは楽しくデイトして、セックスして、時々|喧嘩《けんか》して仲直り、というパターンしかない。けれども妻子持ちの男とつき合うと、これに苦悩というやつが加わるのだ。
 苦悩と涙こそ、恋愛における最大の甘味料である。昔は身分違い、などというものが存在していたが、今はもちろんそんなものはない。よく言われることであるが、現代において唯一の障害物こそが不倫なのである。
 奥さんがいる男の人を、好きになるのはもちろん悪い。しかし人間、生きていれば、悪いことだっていっぱいする。盗みや人殺しをしたわけでもない。しかも不倫というのは、相手の男性と共犯なのである。
 居直れ、というわけではないが、自分は悪者だという自覚のもと、突き進むしかない。私の友人で不倫癖がついている女がいて、必ず自分を被害者に仕立てる。
「あの人は奥さんがいたくせに、私に近づいてきた」
 と文句ばかり言うが、これはいちばんよくない例である。ささやかでもいいから美学を持たなくてはならない。無理難題を押しつけない。正月、クリスマスといったイベントの日は我慢する、ひたすら待つ、などというのは古い時代のタブーではなかろうか。これほど不倫が一般的になった今日では、たいていのことは許されるような気がする。相手の奥さんと戦う、ということもアリかもしれない。が、離婚して自分と結婚してくれるかもしれない、という幻想を持たない方がよい。それから将来、別の男と結婚をするというケースもあり得るわけだから、あまり破滅的なことをし、世間の評判になるというのも、あまり頭がいいことじゃないかもね。
 もう十年以上前のこと、テレビ関係者の妻が、泣いて私に訴えたことがある。夫と売り出し中の女優が恋に落ちた。それはもう仕方ないとしても、この女優というのは顔に似合わないしたたか者といおうか、根性ワルで、この奥さんに嫌がらせばかりしていた。ラブレターをわざとわかるように送ったり、パーティでこの奥さんに会うと、
「元気イー、でも何だか顔色悪いみたい。どうしたのオ」
 とわざと馴《な》れ馴《な》れしくする。ずっと年が上の奥さんは、はらわたが煮えくり返っていたが、世間の手前、じっと我慢した。
 その女優こそ誰あろう、最近ダンナを若い人気女優に盗られ、ワイドショーの主役となったあのヒトです(注・仁科《にしな》亜季子さんではない。もっと前の主役)。泣きながら、
「子どものことを考えると、つらくてつらくて……」
 などと言って、主婦の同情をすっかり集めていたが、私はザマーミロという感じであった。昔、自分がやったことを、今度はもっと若い女にやられただけなのね。
 楽しいことのツケは、やっぱりいつか払わなくっちゃね。というわけで、私は不倫している若い女性にまるっきり同情しません。ちなみに私はヒトヅマなので、独身とつき合おうと妻子持ちとつき合おうと、不倫であることには変わりない。何をしても楽しいことになるのだが……。
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