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遠野物語22

时间: 2019-08-25    进入日语论坛
核心提示:二二 佐々木氏の曾祖母年よりて死去せし時、棺に取り納め親族の者集まり来てその夜は一同座敷にて寝たり。死者の娘にて乱心のた
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 二二 佐々木氏の曾祖母年よりて死去せし時、棺に取り納め親族の者集まり来てその夜は一同座敷にて寝たり。死者の娘にて乱心のため離縁せられたる婦人もまたその中にありき。喪の間は火の気を絶やすことを忌むが所の風なれば、祖母と母との二人のみは、大なる囲炉裡の両側に坐り、母人は旁に炭籠を置き、をりをり炭を継ぎてありしに、ふと裏口の方より足音して来る者あるを見れば、亡くなりし老女なり。平生腰かがみて衣物の裾の引きずるを、三角に取り上げて前に縫ひつけてありしが、まざまざとその通りにて、縞目にも目覚えあり。あなやと思ふ間もなく、二人の女の坐れる炉の脇を通り行くとて、裾にて炭取りにさはりしに、丸き炭取りなればくるくるとまはりたり。母人は気丈の人なれば振り返りあとを見送りたれば、親縁の人々の打ち臥したる座敷の方へ近より行くと思ふほどに、かの狂女のけたたましき声にて、おばあさんが来たと叫びたり。その余の人々はこの声に睡を覚しただ打ち驚くばかりなりしといへり。
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