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遠野物語55

时间: 2019-08-25    进入日语论坛
核心提示:五五 川には河童《かつぱ》多く住めり。猿が石川ことに多し。松崎村の川端の家にて、二代まで続けて河童の子を孕《はら》みたる
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 五五 川には河童《かつぱ》多く住めり。猿が石川ことに多し。松崎村の川端の家にて、二代まで続けて河童の子を孕《はら》みたる者あり。生まれし子は斬り刻みて一升樽に入れ、土中に埋めたり。その形きはめて醜怪なるものなりき。女の婿の里は新張村の何某とて、これも川端の家なり。その主人人にその始終を語れり。かの家の者一同ある日畠に行きて夕方に帰らんとするに、女川の汀《みぎは》にうづくまりてにこにこと笑ひてあり。次の日は昼の休みにまたこの事あり。かくすること日を重ねたりしに、しだいにその女の所へ村の何某といふ者夜々通ふといふ噂立ちたり。始めには婿が浜の方へ駄賃附に行きたる留守をのみ窺ひたりしが、後には婿と寝たる夜さへ来るやうになれり。河童なるべしといふ評判だんだん高くなりたれば、一族の者集まりてこれを守れども何の甲斐もなく、婿の母も行きて娘の側に寝たりしに、深夜にその娘の笑ふ声を聞きて、さては来てありと知りながら身動きもかなはず、人々いかにともすべきやうなかりき。その産はきはめて難産なりしが、ある者の言ふには、馬《うま》槽《ふね》に水をたたへその中にて産まば安く産まるべしとのことにて、これを試みたればはたしてその通りなりき。その子は手に水掻きあり。この娘の母もまたかつて河童の子を産みしことありといふ。二代や三代の因縁にはあらずと言ふ者もあり。この家も如法の豪家にて何の某といふ士族なり。村会議員をしたることもあり。
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