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遠野物語116

时间: 2019-08-25    进入日语论坛
核心提示:一一六 昔々ある所にトトとガガとあり。娘を一人持てり。娘をおきて町へ行くとて、誰が来ても戸を明けるなと戒め、鍵を掛けて出
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 一一六 昔々ある所にトトとガガとあり。娘を一人持てり。娘をおきて町へ行くとて、誰が来ても戸を明けるなと戒め、鍵を掛けて出でたり。娘は恐ろしければ一人炉にあたりすくみてゐたりしに、真昼間に戸を叩きてここを開けと呼ぶ者あり。開かずば蹴破るぞと嚇《おど》すゆゑに、ぜひなく戸を明けたれば入り来たるはヤマハハなり。炉の横座に蹈みはだかりて火にあたり、飯をたきて食はせよといふ。その言葉に従ひ膳を支度してヤマハハに食はせ、その間に家を逃げ出したるに、ヤマハハは飯を食ひ終はりて娘を追ひ来たり。おひおひにその間近く今にも背に手の触るるばかりなりし時、山の蔭にて柴を苅る翁に逢ふ。おれはヤマハハにぼつかけられてあるなり、隠してくれよと頼み、苅りおきたる柴の中に隠れたり。ヤマハハ尋ね来たりて、どこに隠れたかと柴の束をのけんとして、柴を抱へたるまま山より滑り落ちたり。その隙にまたここをのがれてまた萱を苅る翁に逢ふ。おれはヤマハハにぼつかけられてあるなり、隠してくれよと頼み、苅りおきたる萱の中に隠れたり。ヤマハハはまた尋ね来たりて、どこに隠れたかと萱の束をのけんとして、萱を抱へたるまま山より滑り落ちたり。その隙にまたここをのがれ出でて大きなる沼の岸に出でたり。これよりは行くべき方もなければ、沼の岸の大木の梢に昇りゐたり。ヤマハハはどけえ行つたとて逃がすものかとて、沼の水に娘の影の映れるを見てすぐに沼の中に飛び入りたり。この間に再びここを走り出で、一つの笹小屋のあるを見付け、中に入りて見れば若き女ゐたり。これにも同じことを告げて石の唐《から》櫃《うど》のありし中へ隠してもらひたるところへ、ヤマハハまた飛び来たり娘のありかを問へども隠して知らずと答へたれば、いんね来ぬはずはない、人くさい香がするものといふ。それは今雀を炙《あぶ》つて食つたゆゑなるべしと言へば、ヤマハハも納得してそんなら少し寝ん、石のからうどの中にしようか、木のからうどの中がよいか、石はつめたし木のからうどの中にと言ひて、木の唐櫃の中に入りて寝たり。家の女はこれに鍵を下し、娘を石のからうどより連れ出し、おれもヤマハハに連れて来られたる者なれば共々にこれを殺して里へ帰らんとて、錐《きり》を紅く焼きて木の唐櫃の中に差し通したるに、ヤマハハはかくとも知らず、ただ二十日鼠が来たと言へり。それより湯を煮立てて焼錐の穴より注ぎ込みて、つひにそのヤマハハを殺し二人共に親々の家に帰りたり。昔々の話の終りはいづれもコレデドンドハレといふ語をもちて結ぶなり。
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