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遠野物語拾遺66

时间: 2019-08-25    进入日语论坛
核心提示:六六 同じ村字飯《いい》豊《で》の今淵某の家では、七、八年前の春、桜の花の枝を採ってきて、四合瓶《びん》の空いたのに挿《
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 六六 同じ村字飯《いい》豊《で》の今淵某の家では、七、八年前の春、桜の花の枝を採ってきて、四合瓶《びん》の空いたのに挿《さ》して仏壇に供え、燈明を上げたまま皆畑に出て、家には子供一人いなかった。しばらくしてふと家の方を見ると、内から煙が濛々と出ている。これはたいへんと急いで畑から馳け戻って、軒の近くへ来ると少し煙が鎮まった様子である。内に入って見れば火元は仏壇であった。燈明の火が走って位牌や敷板まで焼け焦げ、桜の花などはからからになっていたが、同じ狭い棚の中に掛けてある古峰原の御《お》軸《じく》物《もの》だけは、そっくりとして縁《ふち》さえ焼け損じていなかった。火を消してくだされたのもこの御札であろうと言って、今更のごとくありがたがっていた。こういう類の話は昔からいろいろあったようである。
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