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遠野物語拾遺99

时间: 2019-08-25    进入日语论坛
核心提示:九九 遠野の町の某という家には、天狗の衣という物を伝えている。袖の小さな襦《じゆ》袢《ばん》のようなもので、品は薄くさら
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 九九 遠野の町の某という家には、天狗の衣という物を伝えている。袖の小さな襦《じゆ》袢《ばん》のようなもので、品は薄くさらさらとして寒《かん》冷《れい》紗《しや》に似ている。袖には十六弁の菊の綾を織り、胴には瓢《ひよう》箪《たん》形の中に同じく菊の紋がある。色は青色であった。昔この家の主人と懇意にしていた清六天狗という者の著用であったという。清六天狗は伝うるところによれば、花巻あたりの人であったそうで、おれは物の王だと常にいっていた。早池峰山などに登るにも、いつでも人の後から行って、頂上に著いて見ると知らぬ間にすでに先へ来ている。そうしてお前たちはどうしてこんなに遅かったかと言って笑ったそうである。酒が好きで常に小さな瓢箪を持ちあるき、それにいくらでも酒を量り入れて少しも溢れなかった。酒代によく錆《さ》びた小銭をもって払っていたという。この家にはまた天狗の衣の他に、下駄をもらって宝物としていた。右の清六天狗の末孫という者が、今も花巻の近村に住んで、人はこれを天狗の家と呼んでいる。この家の娘が近い頃女郎になって、遠野の某屋に住み込んでいたことがある。この女は夜分いかに厳重に戸締りをしておいても、どこからか出て行って町をあるきまわり、または人の家の林《りん》檎《ご》園《えん》にはいって、果物を採って食べるのを楽しみにしていたが、今は一ノ関の方へ行って住んでいるという話である。
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