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遠野物語拾遺133

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:一三三 昔上郷村大字板沢の太《たい》子《し》田《だ》に、仁左衛門長者という長者があった。それから佐比内には羽《は》場《ば
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 一三三 昔上郷村大字板沢の太《たい》子《し》田《だ》に、仁左衛門長者という長者があった。それから佐比内には羽《は》場《ば》の藤兵衛という長者があった。ある時この羽場の藤兵衛が、おれは米俵を横田の町まで並べて見せるというと、仁左衛門はそんだらおれは小判を町まで並べてみせようといったという。これほど豪勢な仁左衛門長者ではあったが、やはり命数があって、一夜のうちに没落してしまった。ある年の春のことであった。苅《かつ》敷《ちき》を刈らせに多くの若い者を、わが持ち山へ馬を曳かせて出したが、先立ちの馬が五、六町も離れた切懸長根まで行っているのに、まだあとの馬は厩から出《で》あげなかったという話である。ところが山に登ってまだ苅敷を採り切らぬうちに、にわかに大雨が降って来たので、若者共は空《から》馬《うま》で帰って来た。仁左衛門長者はこれを見て、おれの家では昔から山《やま》降《お》り前に家に帰って来た例《ためし》がない。おれの代にそんな事をさせては名折れだといって、大きに叱って大雨の中を引き返させた。しかし若者だちは山には行かれぬので、大《おお》平《でえら》の河原に馬を繋いでおいて、その夜は近所の家にはいって泊った。ところが次の朝起きて河原を見ると、一晩の大水のためにあるかぎりの馬が、一頭も残さず流されていた。これが仁左衛門長者の滅亡であったという。
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