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遠野物語拾遺157

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:一五七 俵田某という人は佐々木君の友人で、高等教育を受けた後、今は某校の教授をしている。この人は若い頃病気で発熱するたび
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 一五七 俵田某という人は佐々木君の友人で、高等教育を受けた後、今は某校の教授をしている。この人は若い頃病気で発熱するたびにきまって美しい幻を見たそうである。高等学校に入学してから後も、そういうことを経験し、記憶に残っているだけでも、全部では六、七回はあるという。まず始めに大きな気体のような物が、丸い輪を描きつつ遠くからだんだんと静かに自分の方に進んで来る。そうしてそれが再び小さくなっていってしまいに消える。すると今度は、言葉ではなんとも言い表わせぬほど綺《き》麗《れい》な路がどこまでも遠く目の前に現われる。萱を編んだような物がその路に敷かれてあり、そこへ自分の十歳の時に亡くなった母が来て、二人が道連れになって行くうちに、美しい川の辺《ほとり》に出る。その川には輪形の橋が架かっているが、見たところそれは透明でもなく、また金や銀でできているのでもない。その輪の中を母はすうっと潜って、お前もそうして来いと言うように、向こう側からしきりに手招ぎをするが、自分にはどうしても行くことができない。そのうちにだんだんと本気に返って来るという。こうした経験のいちばん初めは、この人が子供の時に鍋倉山の坂路を駈《か》けくだる際、ひどく転んで気絶した時が最初だと言った。倒れたと思うと、絵にある竜宮のような綺麗な処が遠くに見えた。それを目がけて一生懸命に駈けて行くと、先に言ったような橋の前に行き当たり、死んだ母が向こう側でしきりに手招ぎをしたが、後から家の人たちに呼び戻されて気がついたのだという。同君が常に語った直話である。
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