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遠野物語拾遺174

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:一七四 遠野の家中の是川右平という人の家で、冬のある晩に主人は子供を連れて櫓《やぐら》下《した》の芝居を見に行き、夫人は
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 一七四 遠野の家中の是川右平という人の家で、冬のある晩に主人は子供を連れて櫓《やぐら》下《した》の芝居を見に行き、夫人はただ一人炉傍で縫物をしながら留守をしていると、その側にいた虎猫が突然人声を出して、奥様お退屈でしょう。今旦那様たちが聞いてござる浄瑠璃を語って聴かせますべといって、声も朗らかに一くさり語った。そうしてこの事を誰にも話すなと念を押して、主人の帰って来た時には、なにくわぬ顔をしてネムカケ(居睡り)をしていたという。成就院という寺の和尚は是川氏の碁友だちであった。ある時やって来て話をしているうちに、主人の側にネムカケをしている虎猫を見て、あやこの猫だ。先だっての月夜の晩に、おら方《ほう》の庭へ一疋の狐が来て、しきりに踊りを踊りながらどうしても虎子どのが来なけりゃ踊りにならぬと独り言をいっていた。そこへ赤い手拭をかぶって虎猫が一疋、出かけて来て二疋で踊った。しまいには今夜はどうも調子がなじまぬ。これで止めべといってどこへか行ったが、それが確かにこの虎猫であったと話した。その夜和尚が帰った後で、奥様は先夜の浄瑠璃の話を主人にしたそうである。そうしたらその翌朝、いつまでも起きて来ぬので主人が不審に思って見ると、その奥様は咽《のど》笛《ぶえ》を咬《か》み切られて死んでいた。虎猫もまたその時から、出て行って帰って来なかったという。今から八十年余りも前の話である。
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