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遠野物語拾遺224

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:二二四 昔土淵村字厚楽の茶屋に、四十恰好の立派なお侍がお伴を一人連れて休んでいた。ちょうど昼飯時であったから、持って来た
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 二二四 昔土淵村字厚楽の茶屋に、四十恰好の立派なお侍がお伴を一人連れて休んでいた。ちょうど昼飯時であったから、持って来た握り飯を炉に炙《あぶ》り、また魚を言いつけてこれを串にさして焼いていた。その場には村の男が四、五人居合わせて、これも火にあたっていたが、中に大下の万次郎という乱暴者がいて、いきなりその侍の握り飯を取ってむしゃむしゃと食い、その上に串の魚にまで手を出した。侍はまっ赤になって、物をも言わず刀を抜いて斬りつけたが、万次郎は身をかわして、その刀を奪い取り、土台石の上に持って行って、さんざんに折り曲げ、めちゃめちゃに侍の悪口を言った。けれどもその侍はすごすごと茶屋を出て行ったそうな。後で聞くとこれは盛岡の侍であったというが、さすがに土百姓に刀をとられたとは言えなかったのであろう。そのまま何事もなかったそうである。
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