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遠野物語拾遺227

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:二二七 附馬牛村の阿部某という家の祖父は、旅人から泥棒の法をならって腕利きの盗人となった。しかしけっして近所では悪事を行
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 二二七 附馬牛村の阿部某という家の祖父は、旅人から泥棒の法をならって腕利きの盗人となった。しかしけっして近所では悪事を行なわず、遠国へ出て働きをしたという。年をとってからは家に帰っていたが、する事がなく退屈でしかたがないので、近所の若者たちが藁仕事をしている傍などへ行っては、自分の昔話を面白おかしく物語って聞かせて楽しんでいた。ある晩のこと、この爺が引き上げた後で、厩《うまや》の方がたいへんに騒がしい。一人の若者が立って見ると、数本の褌《ふんどし》が木戸木に結びつけてあって、馬はそれに驚いて嘶《いなな》くのであった。はて怪しいと思って気がついて探ってみると、居合わせた者は一人残らず褌を盗られていたそうな。年はとっても、それほど腕の利いた老人であったという。また前庭に竿を三、四間おきに立てておき、手前のを飛び越えて次の竿に立つなど、離れ業が得意であった。竿というから相当の高さがあって、かつ細い物であったろうが、それがこんなに年をとって後もできたものだという。またこの爺は、人間は蜘蛛や蛙にもなれるものだと口癖のように言っていたそうな。死際になってから目が見えなくなったが自分でも、俺は達者な時に人様の目を掠《かす》めて悪事をしたのだからしかたがないと言っていた。今から七、八十年前の人である。なお、旅人の師匠から授かった泥棒の巻物は、近所の熊野神社の境内に埋まっているということであった。
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