二七五 十二月は一日から三十日までに、ほとんど毎日のように種々なものの年取りがあると言われている。しかしこれを全部祭るのはイタコだけで、普通は次のような日だけを祝うに止める。すなわち五日の御田の神、八日の薬師様、九日の稲荷様、十日の大黒様、十二日の山の神、十四日の阿弥陀様、十五日の若恵比寿、十七日の観音様、二十日の陸《おか》の神(鼬鼠《いたち》)の年取り、二十三日の聖徳太子(大工の神)の年取り、二十四日の気仙の地蔵様の年取り、二十五日の文殊様、二十八日の不動様、二十九日の御蒼前様等がそれで、人間の年取りは三十日である。