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「みにくいあひるの子」だった私29

时间: 2019-09-22    进入日语论坛
核心提示:制服をビリビリに学校をやめて真っ先にやったのが、もう着ることのない制服をずたずたに切り刻(きざ)むこと。中学を卒業した日
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制服をビリビリに

学校をやめて真っ先にやったのが、もう着ることのない制服をずたずたに切り刻(きざ)むこと。
中学を卒業した日のはればれした気持ちを、私はいまでも忘れない。
ハサミで切れ込みを入れておいて、両手で力まかせに引き裂(さ)く。このビリビリッといくときの爽快感(そうかいかん)。部屋で一人でニタニタしながらやっていたんだから、考えてみたら、ちょっとこわいものがある。切りくずをごみ袋に突っ込んで、カバンや教科書ともども、生ゴミと一緒に出してしまった。
ざまあみろ、いい気味だ——。
これこそ自由! 次にしたのが、髪にパーマをかけ、耳にピアスの穴をあけたこと。ピアスの穴は、片方に七つ、もう一方に二つ。
耳たぶのほうから上に向かって順にあけてもらうのだけど、上にいくにつれて痛くなる。片方に七つもあけたのは、やけっぱち、どこまであけられるか試(ため)してやろうという気持ちもあった。七つ目で痛くてたまらなくなり、やめた。もちろん、いっぺんに七つあけるのではなく、一回に二つか三つぐらいずつやっていく。
耳のピアスは、中学のときに一度やっている。そのとき、何人かの友だちからこう言われた。
「耳に穴をあけると、運命が変わっちゃうっていうよ」
「へえー、そうなの」なんて、ばかにして受け流していた。
ピアスが校則違反なのはいうまでもない。穴をあけて家に帰ったら、母に見つかってすごく叱(しか)られた。猛烈(もうれつ)な剣幕(けんまく)で、
「あんたなんか、出ていきなさい」
外に追い出され、内側から鍵(かぎ)をかけられてしまった。本当に運命が変わってしまうんだなあ——ヘンに感心しながら、駆(か)け込(こ)み寺(でら)に向かった。
そのときは、すぐにピアスをはずした。それは母から言われたからというより、しくしくと痛んでがまんできなかったから。すぐにはずせば、穴は自然とふさがってしまう。
七つも穴をあけたときには、予想外に母はそれほど怒(おこ)らなかった。
「いい加減(かげん)にしたら」といった程度。卒業して自由の身になれば、校則違反ではなくなる。なんの規則にも違反していないから、母としても怒りようがないというわけ。規則を守らないのが嫌(きら)いなのだ。
私はピアスがよくよく体質にあわないのか、七つの穴からは、三ヵ月から四ヵ月たっても血が止まらなかった。結局、みんなはずしてしまって、いま入るのは一番下の一つだけ。
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