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愛人の掟 08

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:第4条 毎日会ってはいけない ただでさえ独占できない彼、毎日ほんのちょっとでもいいから会いたいと思うのは当然。とにかく女
(单词翻译:双击或拖选)
 第4条 毎日会ってはいけない
 
 
 ただでさえ独占できない彼、毎日ほんのちょっとでもいいから会いたいと思うのは当然。とにかく女性側は「もうどうにも止まらないゾーン」に入ってしまっているから、明けても暮れても会いたい人は彼、ひとりだけ。女友だちと出かけるのもママと会うのも億劫になるし、へたすると仕事までおろそかにしてしまったりもする。でもこれを馬鹿な女、のひと言ですませることはできない。なぜなら女性というのは、ひと度その想いが成就するやいなや、一気に天まで昇りつめてしまうように出来ているのだ。
 女性が毎日会いたいと思うのは仕方ない。男性のほうも、はじめは新鮮さも手伝って、仕事をやりくりしたり、同僚との飲み会を断ったりして出来るだけあなたと会う努力をするでしょう。ディナーが駄目ならランチ、どちらも無理なら深夜バーで一杯飲む、十五分でも時間が空いたらカフェでお茶を飲む、通勤途中にちょっと立ち話するだけでもいい。こうなってくるともう、いかに毎日会い続けるかのギネスに挑戦、というかんじである。そこでまた女性は「彼と毎日会っている」ことに酔いしれ、それがふたりの愛の深さの証であるかのような錯覚に陥る。でも間違いなく、それは錯覚なのである。
 独身同士の恋人たちなら、毎日会おうが、速攻で盛り上がろうが、くっつきすぎて溶けてバターになろうがかまいませんよ。それで飽きたら別れればいいし、もっと好きになるようなら同棲でも結婚でもすればよろしい。いくら親に反対されようがお金がなかろうが、今のご時世、駆け落ちぐらいならどうやったって出来るもんね。
 しかし、不倫の恋人同士には、目の伏せられない壁がすぐに立ちはだかる。週に一度か二度、決まってやってくる「決して会えない」彼の休日、である。いくら「毎日会う」といったって、そこには必ず「平日は」という但し書きがつく。その動かしがたい事実にぶつかって、いちばん苦しむのはあなた自身なのだ。
「週末会えないからこそせめて平日ぐらい毎日会いたいんじゃないの」と言われるかもしれないけど、それはあんまり得策とはいえない。毎日会えば、寂しさが癒されると思ったらそれは大間違い。結果は見事に逆効果。彼と会う回数が多ければ多いほど、不倫の恋のつらさは倍増するのである。彼と毎日会えば会うだけ、会えない日の寂しさは耐えがたいほどに膨らんでいく。彼と過ごす時間が長ければ長いほど、かえって孤独が身にしみる。どうしようもなくなって錯乱する。これまでの自分の生活なんてこれっぽっちもなくなって、彼と会っていない時間は鳴らない電話か空《くう》を見つめて過ごすことになってしまう。こんな空虚な日々を送りたい人はいないでしょう?
 普通の恋愛の何倍も波風があるからこそ、不倫の恋は麻薬性が強い。幸せの絶頂と悲しみのどん底をしょっちゅう行ったり来たりしているのだから、トリップしてるときと禁断症状の差が激しいのだ。これを出来るだけやわらげるには、やっぱり中毒を最小限にとどめておくしかない。だって、ほかに手立てがないのだ。毎日タバコ五十本吸ってる人が禁煙するのは想像を絶する大変さだけど、その手前で一日十本以上増やさないと決めておけば吸えなくなってもまだ楽でしょう。いくらお酒が好きだって、毎日相当な飲みかたをしなきゃ絶対アルコール依存症にはならない。不倫の恋人と毎日会うのは、へろへろの彼中毒になるということ。思いっきり重度の彼依存症になるということ。どこから見てもいいところはない。はっきり言って自殺行為である。
 不倫の恋が長続きするかどうかは、つきあいはじめた頃のデート回数をいかに少なく設定しておくかにかかっている。それは、女性のほうで、どこまで会いたい気持ちを抑えられるか、ということ。奥さんと違って毎日会えないぶん、限られたなかでとびきり楽しい時間を過ごすのがあなたの役割。いくら情熱的に彼のほうから毎日会いたいと言ってきてもデートは週に一度くらいに抑えるのが理想。多くても週二、三回までに。
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