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愛人の掟 09

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:第5条 デート費用はすべて彼にまかせる テレビや映画に出てくる不倫密会シーンでは、いつも高級レストランでワインを飲んで食
(单词翻译:双击或拖选)
 第5条 デート費用はすべて彼にまかせる
 
 
 テレビや映画に出てくる不倫密会シーンでは、いつも高級レストランでワインを飲んで食事をし、一泊三、四万はしそうなホテルのツインルームでHする、というのが定番である。ところが実際、こんな不倫カップルは滅多にいないんじゃないでしょうか。だってこれって、彼がかなりお金持ちじゃなくちゃ、成り立たないことですよね。
 ご承知のとおり、日本のごく平均的な家庭というのは、夫の給料を妻が管理し、夫は自分で働いたお金でありながら妻からお小遣いをもらう、というシステムである。それが三万なのか五万なのか十万なのかそれ以上なのか、細かい数字まではわからないけれど、それほど余裕があるというわけではない。その上子供がいたりすれば、ますます彼の思うようにお金が使えないのが現実である。彼が三十代後半の課長クラスだったとしても、二十代の独身平社員のほうがかえって自由になるお金は多かったりするのだ。
 彼があなたとのデートに使えるお金は限られている。これは仕方ない。でもだからといって、あなたがおごってあげたりワリカンにしてあげたりしてはいけない。たとえあなたが優秀なキャリア組か、何かのエキスパートで彼より収入がずっと多かったとしても、だ。たとえどんな状況にあろうと、あなたがデート費用を負担してはいけない。
「そんなの、あるほうが払えばいいじゃない」と思うでしょう。誰でも最初はそう思って、軽い気持ちで彼に食事をご馳走したり、タクシー代を出してあげたりするものです。この行為自体が、ふたりの関係をさらに苦しめることになるのに気づくまでは。
 何も、デート代はすべて男性が受け持って当たり前、ワリカンなんてとんでもないわ、なんて言ってるわけじゃありませんよ。女性が男性にたまにご馳走してあげることには大賛成だし、女性はおごられて当然、なんて思ってる女の子は勘違いもはなはだしい。でも、それは独身の恋人同士や友だち同士や仕事仲間だったら、の話だ。それが不倫の恋なら駄目なのだ。
 はじめのうちは、おそらく何とも思わない。彼とこんな幸せなひとときを過ごせるなら、お金なんかいくら払ったってかまわない、とも思うだろう。でも、あなた持ちのデートが続くうち、それは真綿で首を絞めるようにじわじわとふたりを蝕んでいく。
 デート代をあなたが出すということは、彼と会うためにあなたがお金を払っているということだ。彼はあなたに会うために何も払っていないのに、である。彼の給料は家庭のために使われて、あなたにはまわってこない。彼のお金はそっくりそのまま家計や子供の養育費や奥さんの服を買うために使われて、あなたにはまわってこない。この事実をデートの度にひしひしと再確認しなくてはならないのだ。あなたが彼とのデートにお金を出せば出すほど、不倫のつらさは倍増する。あなたはどんどん卑屈になり、彼は女性にお金を出させている自分のふがいなさと罪悪感に苛まれる。悪循環である。
 何気なく彼に払ってもらっているときは気づかないものだが、本来家庭にまわるべき彼のお金の中から、その一部があなたと楽しいデートをするために使われている、という図式こそが大切なのである。そこにはふたりの、甘い共犯意識が生まれるからだ。この感覚こそが、知らず知らずあなたの気持ちの拠り所になっていたのである。この事実だけが不倫のつらさをまぎらわす数少ない切り札だったのだ。
 あなたの彼がすごいお金持ちなら、デートはいくらゴージャスでも、贈物はどんなに豪華でもいい。遠慮する理由なんてこれっぽっちもない。もちろんお金や品物で心の空虚が埋められるわけではないけれど、大いなる気晴らしにはなるのだから。残念ながら彼があまりお金持ちでないのなら、彼の経済状態で可能な範囲のデートをすべき。外食は安くて美味しい店を探すとか、ドライブのかわりに散歩をするとか、ふたりでいろいろ工夫して。あなたと会うためのお金はすべて彼が出す、この不倫の基本を忘れずに。
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