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愛人の掟 31

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:第28条 公式の席にふたりで出席しないこと一年、三年、五年と不倫の恋が長期戦になってくると、ふたりがつきあっていることがあ
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 第28条 公式の席にふたりで出席しないこと

一年、三年、五年と不倫の恋が長期戦になってくると、ふたりがつきあっていることがある程度周知の事実になってくることがある。まあ、お互い深い事情があってひた隠しにしているなら別だけど、今のご時世、ふたりが不倫の関係だと知りながらも、ステディな関係として何となく受け入れてくれる場面はかなり多いでしょう。戸籍上のパートナーは別にいても、彼は奥さんを連れ歩くことは少なく、いつも一緒にいるのはあなただという場合、ふたりで訪れる店や彼の仕事仲間のあいだでは暗黙の了解が出来上がる。
こうなってくると、どうしてもなれっこになって自分たちが社会的に認められていると思ってしまいがち。彼のステディとして扱われることが当たり前になり、本当にステディになったかのような錯覚に陥る。彼とふたりで旅館に泊まったとき仲居さんに「あとは奥様、よろしくお願いします」なんて言われて、つい顔がほころんでしまうのと同じ心理である。このステディな錯覚に惑わされて、ついには彼と連れだって、公式の場に出席してしまったりする。たとえばふたりの共通の友人の結婚式とか、知人の開いたレストランのオープニングパーティーとか、親しい誰かの受賞パーティーとか。このときのあなたはまるで初めて表舞台に立ったような、晴れやかな気分に浸っているでしょう。彼が公式の場に誘ってくれたというだけで天にも昇る気持ちになるし、その席では、彼の本物のパートナーになったような幸福感や、そこにはいない奥さんへの優越感などがあなたを支配するでしょう。けれど、この幸福の絶頂には大きな落とし穴があるのだ。
パーティーの席であなたがどんなに舞い上がっていたとしても、宴が終われば彼は家族の元に戻り、あなたはひとりぼっちの部屋に帰る。高揚した気持ちは幻のように消え、あとに残るのはむなしさだけ。そしてあなたは、たとえ一瞬でも、奥さんに勝ったような気になっていた自分の愚かさを恥じることになる。あなたが優越感に浸っていたことなど、彼と奥さんのあいだでは取るに足らないような出来事なのだと思い知らされる。
公式の場に出ることさえしなければ、こんな意地悪な傷つきかたはしなくてすむのだ。偽りの幸福感は、あなたの心にあとあとまで大きな傷を残す。そんな思いをするくらいなら、彼とふたりきりで楽しい時間を過ごしたほうがいい。公式の場に同席しても、愛人の地位が引き上げられたわけでは決してないことをしっかり頭にとどめておくこと。
結局、公式の場に連れていかれてみじめになるのは奥さんのほうではなく、愛人のほうであることを決して忘れずに。
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