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愛人の掟 56

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 17 期間限定恋愛のすすめ映画『リービング・ラスベガス』の試写会に出かけた。映画の原作となった同名小説の書評を
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scene 17 期間限定恋愛のすすめ

映画『リービング・ラスベガス』の試写会に出かけた。映画の原作となった同名小説の書評を書くためだ。情けない男を演じさせたら世界一、のニコラス・ケイジがこれまたぴったりのアル中の役で主演男優賞を総ナメしていると聞けば、いくら仕事がらみとはいえ、わくわくせずにはいられない。
アルコール中毒を扱った映画というと、酒を断つために闘う男とそれを支える献身的な妻、という図式が定番である。わたしはこの手の作品には飽き飽きしていたのでちょっと不安だったんだけど、この映画は違った。何しろ、男は酒をやめようなどという気は毛頭ないのだ。とにかく酒を飲み続けて有り金使いきったら死んじゃおう、と、二十四時間酒場が開いているラスベガスにやってくる。そこで、恋に落ちた娼婦に、彼は言う。
「決して俺に酒を飲むなと言うな。約束出来るか?」
彼女はその約束を守り、天使のような優しさでべろべろの男と至上の愛を貫き通そうとする。彼女が彼にスキットル(携帯用の銀製酒瓶)をプレゼントする場面など、感激のあまり泣きそうになってしまった。これぞ究極の、期間限定の愛。うーん、素晴らしい。
アル中の恋人に酒を飲むなと言わない。これは簡単そうに見えてものすごく大変なことである。よく恋人同士で、相手を変えるのは難しい、というのを耳にするけど、実際は相手を変えようとしないで愛し続けることのほうが難しいのだ。
つきあいはじめたばかりの頃は、いい。相手が自分とは全然違う価値観や考えかた、趣味、嗜好を持っていたとしても、それは新鮮さとなって彼の魅力を引き立てるだけのものだからだ。大体つきあいはじめて三か月ぐらいまでがその時期にあたる。
ところが、ある程度長いこと一緒に時を過ごすうちに、だんだんそうはいかなくなってくる。特に女性は、恋愛に「将来」という二文字がちらちらしてくると、相手の健康や生活、仕事、そして世間体など、恋には不適切なアイテムをあれこれ考えてしまう生き物。この人、好き嫌いが多くてお肉ばっかり食べてるけど、野菜も食べさせなくちゃ。毎日お酒飲んだらカラダに悪いからせめて一日おきにしてもらおう。ギャンブルばっかりじゃ貯金も出来ないから控えてね。いつまでもTシャツとGパンじゃ仕方ないから服をプレゼントしてあげる。ちょっとお腹が出てきたみたい、彼にはどんなダイエットがいいかしら?
これらはもちろん、好意には違いない。ところが、大半の男性は、自分のライフスタイルをとやかく言われるのが大嫌いなのである。お互い好きでつきあってるのに何で今からそんな女房面されなきゃいけないんだ、と思う。そして彼らが面倒臭そうな顔をしたりすると決まってこんな台詞が飛び出す。
「あなたのこと思って言ってるのに、あたしの気持ちなんか全然わかってくれないのね!」
ここまで来ると、彼女が男に逃げられる日も近い。口を出せば出すほど男は離れていくのだ。何年もつきあってた彼をちょっと目新しいだけの女にかっさらわれたりするのは大抵こんなときだ。せっかく将来を考えてしたことが、かえって恋の終局を早める結果になってしまう。これは利口なやりかたとは言えないですよねえ。
自分の未来にも影響してくる相手と思えば、甘やかしてばかりはいられないのもわかる。でもそれをわかった上で、甘やかさなくてはいけないときもあるのだ。ノドまで出かかった彼への指摘を何度飲み込めるかに将来はかかっていると言ってもいい。
それには、自分の恋心を常に期間限定品にとどめておくことが大切である。ずっと一緒にいたいとか、この人しかいないとか思うから知らず知らず彼に厳しくなってしまうのだ。ときには先のことなど忘れたふりをして、その場、その場の恋の楽しさに思いっきり浸ってみる。そうすれば初心にかえって彼にも優しくなれるはずだよ。
男誰しも、口うるさい女より、いつも甘いキャンディーをくれる女が好きだ。ふだんちゃんと甘やかしてあげれば、ここぞというとき意外に言うことを聞いてくれるもんです。
どうしてもガマンできないときは、この『リービング・ラスベガス』を観て、期間限定恋愛の基本を学んでみては? アル中にくらべれば、あたしの彼の悪癖なんて可愛いもの……と思えたらこっちのもの。しかしニコラス・ケイジのアル中は、絶品だったなあ。
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