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愛人の掟 69

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:scene 30 毎日が恋愛日和わたしはどちらかというと気が長いほうである。待ち合わせの相手が一時間遅れてきてもそんなに苦
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scene 30 毎日が恋愛日和

わたしはどちらかというと気が長いほうである。待ち合わせの相手が一時間遅れてきてもそんなに苦にならないし、人の話を最後まで聞かずに口をはさむこともないし、五百ページ二段組の長編小説を途中で放り出すこともほとんどない。マイケル・ギルモアの『心臓を貫かれて』だってもうすぐ読み終わる。まあ、かれこれ二か月ぐらいかかってるからずいぶんペースは遅いけど。
だから、これは気が長いせいなのかどうかわからないけど、「恋人に飽きてしまう」ということもない。まわりで「今の彼氏、なんかもう飽きちゃってえ」とか聞いても、わたしには一度も経験がないから実はよくわからない。どうもわたしには、人間に限らず一度好きになったものに対して、飽きる、という感覚が欠如しているらしい。
でも「恋人に飽きた」と言っている人の話を聞いていると、症状はよくわかる。会ってもドキドキしない。新鮮味がない。デートやセックスがワンパターン。電話は定期便みたいにやってきて、いつもおんなじような話題ばっかり。クリスマスやお互いの誕生日も一巡してしまって、特別楽しみにするイベントもない……大体そんなところでしょう。でもこれみんな、ある程度恋愛長くやってれば当たり前のことなんだよね。
会ってゴハン食べるのもセックスするのも電話でおしゃべりするのも、全部同じ男女がやってるんだから、結局同じことくり返してるだけ。もちろんみんな、いろいろバリエーションを模索したりして頑張るわけだけど、いくら努力しようと、必ずマンネリはやってくる。でも、ここで飽きちゃった、のひと言で投げ出して次の相手にいったところで、またしばらくしたら同じことを感じてる自分に気づくはず。
だって「自分を飽きさせない男」なんて、この世にいないんだよ。万が一いたとしたって、それは優柔不断でない男を探すより難しい。そして、飽きない男を探し求めているうちは、本当の恋には出会えない。
なぜなら、本当の恋の醍醐味は、偉大なるマンネリの中にあるのだ。そもそも誰か特定の男性とつきあう、っていうのはそういうことなのよ。毎日毎日同じ人と、同じ顔見て同じような会話しながら同じようなゴハン食べたいと思うのが恋なわけです。
わたしは以前、『別れの十二か月』という小説集の中で、「ずっとはじめの一週間だったらいいのに」という女の子の台詞を書いたのだが、もちろんつきあいはじめて一週間のときめきは、何にも代えがたい素晴らしさがある。でも、ずっと最初の一週間でいられる恋なんて存在しないのだ。あとはいかに、その偉大なるマンネリの中に恋心を持ち続けられるか、しかない。
相手のいいところも悪いところもすべてわかって、意外性なんか何もなくなってしまってもまだ、その人と同じようなゴハンを食べたい、一緒に眠りたいと思う。それが本当に人を愛する、ということなのだ。
分厚い本が読みきれなくても、職場をころころ変えても、注文した料理が十五分出てこないといらいらしてもかまわない。でも恋愛に関してだけは、気が長い女性になってほしい。恋愛期間の長い、短いにかかわらず、気長に恋と向き合ってほしい。そうすれば、恋にピリオドを打つときは「飽きた」なんて理由じゃなくて、きっと次の恋へのステップになる何かが、あなたの中に残るはず。
たとえ変わり映えしないように見えても、山あり谷あり波瀾万丈の日々であっても、大切なのは、あなたの毎日が恋愛日和であるということ。みんなの恋の空模様がいつも良好でありますように。
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