今週のテーマは「坊っちゃん」である
そんなことを言われたって、私が家元の糸井重里である。
週刊文春の編集部にあった小さな郵便受けをぶっこわしてくれた読者諸君、よくもやってくれた。一人一人のハガキの力は弱いものだが、おおぜいの人間が出したたくさんのハガキの力は強い。
具体的に二千通のハガキが来たなどと書いてしまうと、諸君の気持がめげるといけないのであえてかくしておくが、とにかくだなぁ、番頭が八百屋からダンボールを四十円も払ってゆずってもらって、赤いマジックで〒の字を書いたりしているのを見るにつけ、心を痛めている私なのである。
のォ、番頭。
「いえいえこれしきの努力なくして番頭といえましょうか」
そうかそうか健気なやつよ。よしよし、少ないがこれは小遣いだ、帰りにあったかいものでも食べて行きなさい。
「家元、そろそろお稽古のほうを」