今週のテーマは「ハイライト」である
先程も言ったが、私が家元の糸井重里である。
では暑気払いにまず一キャッチ。『人間は夏には負けるが、秋に勝つ』……不調である。
家元にも好不調はあるのだが、同じ不調でも「美しき不調」であるというところが一般の民とちがうのである。この「美しき」こそが、家元の重みというものなのであって、駆け出しの諸君にはとうていはかり知れぬ境地なのだ。のォ、番頭。
「然り、然りでございます」
おォおォ健気なやつよ。少ないがこれは小遣いだ。帰りに麻布十番の浪花屋総本店で小倉アイスでも食べて行きなさい。
「古女房と豚児にも……」
通勤一時間半で溶けてしまうではないか。家族を気づかう心のゆとりがあるのなら、どうか私の肩をもんでおくれ。
「い、家元ォォ」
早く、そこを片して、開講の用意をしなさい。
「は、ただいま」