ちわーッす、私が家元の糸井重里である。
先般の「御萬の日」には、出前のストリップやら、毒だみの花束、切り干し大根の煮つけ、カラオケの歌詞カード付き割り箸セット等々、有難うよ。
「私、最近、モテてモテて困っておりますです。つい今しがたも、店に色紙を飾りたい、とかいう女子大生が訪問してまいりまして、『忍耐そして妻を愛せよ』と、したためてまいった次第でございます」
しかし番頭さん、女子大生が|店《ヽ》というのは、どういうものなのだろう。
「そういうヘンな商売ではない、と存じます」
|そういう《ヽヽヽヽ》ったって、何も言っちゃいないよ。女子大生といえば、店というより学校だろう。
「フッフッフ。家元ォ。|妬《や》いているのでございますね。家元妬くほど番頭モテもせず、というではありませんか。フッフッフッフ……。しかし、モテるなぁ、ホントに、この頃。フフフ」
今週も番頭が異様な熱気をもっているようなので、早いとこ稽古に入ることにする。
「いえ、もう少し雑談をして、それからお稽古に」
いや、稽古にうつる。