毎週毎週ハガキの山に囲まれて、六本木のカフェバーに行くひまもない乃木坂女子短大の家元こと糸井重里でーす。
「いやいやながら家元につきあっているうちに、すっかり女らしさが失われたと評判の、紀尾井町女子大の番頭でーす」
今週は、私たちピチピチの女子大生男が、いまや世界的な流行のきざしを見せている萬流コピー塾に突撃して、その極意を皆さまにバッチリお教えしちゃおうと思いまーす。
「では、まいりましょ」
さて、私と番ちゃんが立っているのが、萬塾の正門前、ちょっと失礼して……ト。
「こんばんはー! 入塾したいんですけどォ」
「ハイハイ、私が番頭です」
「私はァ、コピーのォ、勉強ォ……」
「ハイハイ、では、ずずっと奥へどうぞ」
「わァ! 素敵なお部屋ですね。それに、番頭さんが、すっごいハンサムで、ちょっと、私あがっております」
「いやいや、それほどでも」
何を番頭は、一人芝居をしておるのだ。
「では、続いて洋楽情報のコーナーでーす。今週はおまちかねのビデオがどっさり到着しましたよー」
もうやめなさい。言いだしっぺの私が悪かった。
「いやぁ家元、女子大生男ごっこというのは、むつかしゅうございますねぇ」
狼男やネズミ男にくらべて、女子大生男というのは歴史が浅いからな。
しかしそれにしても、今週のハガキは特別に多かったな。たまには流行に便乗してみるものだ。とにかく、女子大生というものについては一家言ある人が多いらしい。
「皆さん、女子大生を嫌ってらっしゃいますでございますねぇ。私の嫌いと、ちょっと方向はちがうようでございますが」
その、嫌いぶりを、ひとつひとつ見ていこうではないか。
「では、お稽古のコーナーでーす」