□遠野家居間
と、丁度区切りのいい所で時計の鐘が鳴り響いた。
午前九時を告げる鐘は、お茶会終了の合図でもある。
と、丁度区切りのいい所で時計の鐘が鳴り響いた。
午前九時を告げる鐘は、お茶会終了の合図でもある。
【秋葉】
「時間ね。琥珀、例の物は届いているの?」
「時間ね。琥珀、例の物は届いているの?」
【琥珀】
「はい、お預かりしてます。ご試着なさるのでしたらお部屋のほうにお運びしましょうか?」
「ええ、お願い。どうせ使わないだろうけど、一度ぐらいは試してみたいから」
「ええ、お願い。どうせ使わないだろうけど、一度ぐらいは試してみたいから」
席を立つ秋葉。どうやら午前中は自室で休んでいるつもりらしい。
【秋葉】
「私は一度部屋に戻りますけど、兄さんはどうなされるのですか?」
「俺? そうだな、まだ決まってないけど、きっと屋敷にいると思う」
「私は一度部屋に戻りますけど、兄さんはどうなされるのですか?」
「俺? そうだな、まだ決まってないけど、きっと屋敷にいると思う」
【秋葉】
「解りました。それでは昼食の席でお会いしましょう」
「解りました。それでは昼食の席でお会いしましょう」
【翡翠】
「それではわたしも失礼します。午前中は客間の整理を任されておりますので」
「それではわたしも失礼します。午前中は客間の整理を任されておりますので」
居間に残ったのは俺と琥珀さんだけになる。
その琥珀さんもみんなが使っていたティーカップとポットを片付け始めていた。
「あ、それぐらいなら俺がやるからいいよ。琥珀さん、朝から動きっぱなしなんだから少しは休まないと」
【琥珀】
「あ、ありがとうございます。けど今日は午前中ずっとお休みですから、これが最後の仕事なんです。どうぞお気遣いなさらず、ゆっくりしていてください」
琥珀さんは慣れた手つきで食器をまとめあげると、そのまま台所へと消えていった。
さて。
午前中、何をしようか。