□遠野家居間
みんなそれぞれやる事があるみたいだし、一旦部屋に戻って一息つく事にしよう。
□志貴の部屋
がちゃり、とドアを開けて中に入る。
もう随分と住みなれた部屋はいつも通りで、何一つ変わった所なんてな——�
もう随分と住みなれた部屋はいつも通りで、何一つ変わった所なんてな——�
「……って、猫が寝てる」
ごしごし。
まだ寝ぼけているのかと目蓋をこすってみたが猫は消えない。
どこから入ってきたのか、猫らしき物体はベッドの真ん中で巨大なおまんじゅうと化している。
……正しくは、おまんじゅうと間違えてしまうぐらい丸まっている。
まだ寝ぼけているのかと目蓋をこすってみたが猫は消えない。
どこから入ってきたのか、猫らしき物体はベッドの真ん中で巨大なおまんじゅうと化している。
……正しくは、おまんじゅうと間違えてしまうぐらい丸まっている。
「あれ、もしかして……」
起こさないように足を忍ばせて猫を覗き込む。
「やっぱり。いつもの黒猫だ」
屋敷にいたり学校にいたり忙しいな。猫の縄張りにしてはけっこう破格的な広さじゃなかろうか?
「……まあ、それはいいとして」
さてどうしよう。
ベッドが占領されてしまった以上、遠野志貴にはうつ手がない。
「———————」
しばし考えてから、どうこう考えるのも馬鹿らしくなってきた。
窓から入ってくる陽射しが気持ち良かったせいもあるんだろう。
「ふぁーあ……」
のびをしてから床に腰を下ろしてベッドに背中を預ける。
「……うん、寝よ寝よ……」
ゆっくりと目蓋を閉じる。
こういう展開になるのは当然といえば当然だ。
部屋には爽やかな秋の風と暖かい陽射しがあって、ベッドの上には幸せそうに眠っている見知らぬ猫。
これだけの状況がそろっていているんだから、こっちも眠っておかないとそりゃあ失礼ってものだろう……?
夢を見た。
車が走っている夢。
そんだけ。
車が走っている夢。
そんだけ。
□交差点
ああ、あとはブレーキ音が印象的。
そんなもの?
□病室
そうしてまだ眠っている。
肌にふれる微風が心地よい。
目蓋を閉じていても晴天だと判る午睡。
そこで、一時だけ夢を見ている夢を見る。
————と。
頬を何かが触れていった。
ざらついた感触と小さな気配。
ああ、さっきの黒猫が頬を舐めていったんだな、とか胡乱なあたまで考えてみた———
□志貴の部屋
「—————?」
目が覚めた。
頬に指をやると、舐められたような跡なんてない。
「おーい、ねこー」
ベッドへ視線を向ける。……と、黒猫はすでにいなくなっていた。
目が覚めた。
頬に指をやると、舐められたような跡なんてない。
「おーい、ねこー」
ベッドへ視線を向ける。……と、黒猫はすでにいなくなっていた。
【レン】
黒猫は窓際まで移動していて、にゃあと鳴き声一つもあげずに外へ飛び出して行った。
「……なんだい、可愛げのない」
たまには鳴き声の一つでも聞いてみたいけど、その前にあの子の名前を知る方が先だろうか。
「なんだ、もう昼じゃないか」
かれこれ三時間ほど眠っていたわけか。
さて、それじゃあ部屋を出るとしようかな———
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