□志貴の部屋
……親父の部屋、か。
確かにそれは正しい選択のように思える。何故なら、今日の遠野志貴はどこかおかしい。
昨日のコトを明確に思い出せなかったり、なんだか前もこんな事をしたような既知感に襲われたりしている。
こういった場合、たいてい原因はあのクソ親父だ。
確かにそれは正しい選択のように思える。何故なら、今日の遠野志貴はどこかおかしい。
昨日のコトを明確に思い出せなかったり、なんだか前もこんな事をしたような既知感に襲われたりしている。
こういった場合、たいてい原因はあのクソ親父だ。
「……うん、また手記に“志貴の突発的な記憶障害について”とかなんとかレポートしてるに違いない」
おお、なんかそのセリフナイスなカンジ!
この流れからいって、間違いなく親父の部屋に謎を解く鍵があると見た!
おお、なんかそのセリフナイスなカンジ!
この流れからいって、間違いなく親父の部屋に謎を解く鍵があると見た!
□屋敷の廊下
マッハで親父の部屋に到着した。
鍵はかかっていない。ますますツいてる。鍵を持っていない以上、かかっていたらアウトだった。
「……あれ?」
なんでアウトなんだろう。
こういう場合の非常手段を自分は持ってると思ったんだけど。
「ま、いっか。開いてるなら入るだけだ」
ドアノブを回して、滅多に入らない親父の部屋へと足を踏み入れた。
鍵はかかっていない。ますますツいてる。鍵を持っていない以上、かかっていたらアウトだった。
「……あれ?」
なんでアウトなんだろう。
こういう場合の非常手段を自分は持ってると思ったんだけど。
「ま、いっか。開いてるなら入るだけだ」
ドアノブを回して、滅多に入らない親父の部屋へと足を踏み入れた。
□槙久の部屋
ふぃーおん ふぃーおん ふぃーおん。
間の抜けたサイレンが鳴り響いて、親父の部屋はアヤシゲな異空間へと変貌した。
「な、なんだぁ————!?」
すぐさま脱出しようとドアに手を伸ばすが、そもそもドアなんてものは存在しなくなっていた。
「な、なんだぁ————!?」
すぐさま脱出しようとドアに手を伸ばすが、そもそもドアなんてものは存在しなくなっていた。
【琥珀】
「おまたせ!」
……あ。
【琥珀】
【琥珀】
「月姫!?なぜなにクエスチョンー!」
【琥珀】
「月姫!?なぜなにクエスチョンー!」
……すっごく、死の予感。
【琥珀】
「どんどんぱふぱふー! ようこそいらっしゃいました志貴さん! 当番組放映から苦節半年、あなたが初めてのお客さんです!」
突然飛来した琥珀さん(似)の人物は、楽しげにはしゃいでいる。
……いやまあ、はしゃいでいるんだから楽しげなのは当然なんだけど、思わず重複した表現をしたくなるほどハッピーげなワケである。
突然飛来した琥珀さん(似)の人物は、楽しげにはしゃいでいる。
……いやまあ、はしゃいでいるんだから楽しげなのは当然なんだけど、思わず重複した表現をしたくなるほどハッピーげなワケである。
「ですがいけませんいけませんっ! 断りもなく槙久さまのお部屋を探索されるなんてもっての外、通りたければこのわたしを倒してからにしてください!」
わーい、とばかりにマイクを取り出す琥珀さん(似)。
「はい、志貴さんはこの帽子とスイッチを持ってくださいねー。スイッチを押すと帽子がピロン、と手を上げますから」
こっちが呆然としているのをいいことに、琥珀さん(似)は帽子をかぶせて強引にスイッチを握らせてきた。
わーい、とばかりにマイクを取り出す琥珀さん(似)。
「はい、志貴さんはこの帽子とスイッチを持ってくださいねー。スイッチを押すと帽子がピロン、と手を上げますから」
こっちが呆然としているのをいいことに、琥珀さん(似)は帽子をかぶせて強引にスイッチを握らせてきた。
【琥珀】
「それでは第一回、“おまたせ!月姫!?なぜなにクエスチョンー!”の始まりですよー。クイズに全問正解したなら志貴さんには素敵なプレゼントが! 一問間違えても志貴さんには素敵なプレゼントが!」
「………………………」
まず、クイズなのになぜなにクエスチョン、というタイトルは間違えていると思う。
「………………………」
まず、クイズなのになぜなにクエスチョン、というタイトルは間違えていると思う。
【琥珀】
「志貴さん、準備はいいですか?」
準備はおろか驚きのポイントさえ定まっていないけど、何をどう答えても始まってしまうに違いない。
準備はおろか驚きのポイントさえ定まっていないけど、何をどう答えても始まってしまうに違いない。
「楽しそうだね、琥珀さん(似)」
はあ、と重くるしくため息をついて、一言だけ口にした。
はあ、と重くるしくため息をついて、一言だけ口にした。
【琥珀】
「はい! わたし、今回はこんな役どころばかりですから、もうやけっぱちなワケです!」
えっへん、と胸を張る琥珀さん。
……なるほど、たしかに歓喜というより狂喜が入ってそうな笑顔ではある。
えっへん、と胸を張る琥珀さん。
……なるほど、たしかに歓喜というより狂喜が入ってそうな笑顔ではある。
「けど悲しまないでくださいね。もともとわたしは影の女、本編で一度でもヒロインとして扱ってもらえただけで十分です! ですから今回は基本に立ち返って、影のフィクサーとして志貴さんを思う存分ひっかきまわしてさしあげようかなー、と! 人気投票でもトップスリーに入れませんし!」
「—————————」
……うう、涙なくして聞けない話だなあ。
「—————————」
……うう、涙なくして聞けない話だなあ。
【琥珀】
「それでは勝負を始めますよー。
ジャンルは三つ、一般教養、月姫本編、月姫夏祭り、から一方的にランダムで決定されます」
「……………まあ、退路はないわけやね」
「はい! ですがご安心を。このクイズは本編とはまったき関係のない、ただのお遊びですから。解けなくてもなんら影響はありませんよー」
……そうは言うけど、一問でも間違えたら冗談ではすまない展開が待っている筈だ。
失敗は許されない。
ジャンルは三つ、一般教養、月姫本編、月姫夏祭り、から一方的にランダムで決定されます」
「……………まあ、退路はないわけやね」
「はい! ですがご安心を。このクイズは本編とはまったき関係のない、ただのお遊びですから。解けなくてもなんら影響はありませんよー」
……そうは言うけど、一問でも間違えたら冗談ではすまない展開が待っている筈だ。
失敗は許されない。
さて、今回のジャンルは————