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歌月十夜205

时间: 2019-11-29    进入日语论坛
核心提示:*s255□屋敷の物置「あ」思わず声があがる。古ぼけた写真に映っているのは、間違いなく幼い自分だ。くわえて場所は屋敷の中庭。
(单词翻译:双击或拖选)
*s255
 
□屋敷の物置
「——————————あ」
思わず声があがる。
古ぼけた写真に映っているのは、間違いなく幼い自分だ。
くわえて場所は屋敷の中庭。
写真の色あせようからして間違いなく八年前のものなんだろうけど———�
「なぜにアルクェイド?」
なんで?と首をかしげる俺と、
「——————————」
無言で写真を眺めている琥珀さん。
「……に、しても……」
いろんな矛盾点を抜きにして考えれば、幼いアルクェイドは頬擦りしたくなるほど可愛かった。
子供の頃は金の髪も長かったのか、風に揺れる金髪はさらさらととても気持ち良さそうだし。
柔らかそうなほっぺたとか、何よりすっごく嬉しそうにキスを待っている顔つきなんて反則ものだ。
「……うん。いいかも」
後ろに琥珀さんが居るってコトさえ忘れて、つい素直な感想を口にしてしまった。
□屋敷の物置
【琥珀】
「……………………」
「あ——いや、違うんだ琥珀さんっ! これはなんていうか、質の悪いイタズラっていうか、あいつのデタラメな空想が巻き起こした事故っていうか———」
「……残念です。志貴さんは子供の頃からそういう方だったんですね。まだ子供なのに誰彼かまわずキスをして回って、あげくにお屋敷にアルクェイドさんまで連れ込んでいたなんてショックです。……ああ、もう秋葉さまになんとご報告すればいいものやら……」
トンデモナク恐ろしいコトを言って、重苦しいため息をつく琥珀さん。
「ちょっ、ちょっと待った……! 誤解だってば、これはホントにあったコトじゃないんだっ! こんなのアルクェイドのヤツの悪戯に決まってるだろ!」
……まあ、悪戯にしてはかなり手が込んでいるので、アルクェイドの手管というより目の前にいる人の手管っぽいが。
【琥珀】
「もうっ、ダメですよ志貴さん! ご自分の責任を他の方になすりつけようとするなんて! そんな風に見苦しい志貴さんや、誰彼かまわずくちづけして回っているキス魔な志貴さんには————」
ぐい、と。
どこから落ちてきたのか、引っ張ると足元がバクンと開きそうな紐を握る琥珀さん。
「———うわ、やな展開っ! ああもう、一応言っておきますけど、誰彼かまわずキスをしてるわけじゃないんですってば! そりゃあ子供の頃は秋葉や翡翠のおでこにキスしたかもしれないけど、こればっかりは冤罪ですっ。冤罪ですから、その紐は引っ張らないでください」
引っ張られると、そのままバッドエンドに直行しそうなので。
【琥珀】
「申し訳ありませんが却下です。朝のうちにアルクェイドさんの所に行っておいて、そのままお屋敷に戻ってくるような志貴さんにはお仕置きが必要ですから」
ぐい、と紐を引っ張る琥珀さん。
「—————————!」
ばたん、と。
綺麗に俺の足元だけ開かれる落とし穴。
 
「うわあぁぁああ、やっぱりこういう展開かぁあ!」
ひゅるるるー、と底無しの穴へ落ちていく。
「だいじょうぶですよー、下にはマットが敷いてありますからー」
呑気な琥珀さんの声が聞こえてくる。
……そっか。マットが敷いてあるなら落ちても怪我はしないかも——�
「蚊取りマットですけどねー」
「うわあ、寒すぎー!」
バタバタと暴れるが落下速度はちっとも落ちない。
………ああ、今度こそ死んだかもしれないなあ、俺……

———そんなこんなで、気が付くと地下牢にいた。
「あ、あ痛たたたたた…………」
落ちてくる時に腰を強打したのか、立ちあがると体中が軋んだ。
「くそ、ほんとに地下牢じゃんかココ……」
じゃらり、と音がして、手で額の汗を拭った。
ん、じゃらり……?
「って、うわああああ! て、手足が鎖で繋がれてるー!」
テッテイしている。
ここまでテッテイするというコトは、つまり琥珀さんはホンキだという事なのでしょうか?
「うっ、さむっ……」
ぶるっ、と震える体を抱く。
じゃらり、とまたも鬱になりそうなヘヴィサウンド。
「冗談じゃないぞ、こんなトコに一日でもいたら精神に異常をきたす」
適当な石を持って、ガンガンと牢を叩く。……超合金で出来ているのか、石の方がたやすく砕ける。
「うーん、こりゃまいった」
ああ、でもどっかの人が地下室は安心できるとか歌ってたっけ。……うむ、どっちかっていうとあの歌はシキのテーマソングではあるまいか。
「———って、他人事じゃないって。日が落ちる前に外に出ないとえらいことだぞ」
きょろきょろと周囲を見渡して、ナイフ代わりになりそうな石を探す。
石は簡単に見つかった。
「————あれ?」
って、そんな物を見つけてどうしようというのか。
石では牢は切れない。なんだって俺は、そんな物があればたやすく牢を切れるだなんて思ったんだろう?
「ふふふ、ダメですよ志貴さん。そんな危ないコト思い出しちゃいけません」
かんかんかん、と階段を下りてくる足音。
「こ、琥珀さん!?」
「はい、お待たせしました。ちょっと待ってくださいね、すぐに開けてさしあげますから」
ぎいー、と錆びた音をたてて牢が開く。
……良かった。質の悪い冗談だったけど、さすがに冗談のままで終わってくれたらしい……って、ちょっと待った!
「な、なに持ってるんですか琥珀さん!」
「なにってお注射の時間です。本当はこのような事は心が痛むのですけど仕方ありません。志貴さんは中々反省してくださらないので、聞き分けがよくなるお薬を注射しますね」
「うわ、嘘っ! ぜったい嘘! 琥珀さんすっげえ楽しそうじゃんかー!」
「やだなあ、そんなコトないですってば。ほら、わたし痛いの嫌いですし」
「ばか、そんなのフツー誰だって嫌いだって!」
ニコニコと近寄ってくる割烹着の悪魔。……もとい、割烹着を脱いだ悪魔。
「うわあ、分かった、分かりました! もう夕食は残しません! それに外食も控えます! ついでに早起きもしますからー!」
「うふふ、そんな事言ったって逃げられませんよ志貴さん。さ、大人しくしてれば痛くありませんからちゃっちゃっと射っちゃいましょー!」
「はわわわ、オッケー、こうしよう! 琥珀さんの言い分ももっともだ。もっともだから、せめてどっちか一本だけにしてくれー!」
「あ、そうゆう事ならご心配なく。二本持っているのは射ち損じた時のための予備ですから」
にっこりと笑って、琥珀さんは俺の腕に注射器を突きたてた。
 
「志貴さん、聞こえてます? いいですか、これからはここが志貴さんのお部屋です。ですからくれぐれも外に出ようだなんて思わないでくださいね。
……ええ、そうしてくださればわたしも手荒な事はいたしません。もう何も考えられなくなるぐらい、優しく飼ってさしあげますね———」
クスリ、と琥珀さんが笑った。
 ……うう、今までいろんなバッドエンドを迎えてきたけど、これに勝るおしまいは無かったよぅ……
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