□志貴の部屋
————翡翠と琥珀?
「……病んでるな、それ」
我ながら行きづまった妄想に頭が痛くなった。
翡翠は自分から来るような性格じゃないし、琥珀さんだって翡翠と一緒に来るような人じゃない。
……あの二人はとても近いようで遠い関係なんだ。
双子という関係。俺には翡翠と琥珀さんが、双方の半身とも言えるお互いをどう思っているかなんて解る筈がない。
我ながら行きづまった妄想に頭が痛くなった。
翡翠は自分から来るような性格じゃないし、琥珀さんだって翡翠と一緒に来るような人じゃない。
……あの二人はとても近いようで遠い関係なんだ。
双子という関係。俺には翡翠と琥珀さんが、双方の半身とも言えるお互いをどう思っているかなんて解る筈がない。
「……けど、もしかしたら」
そういうコトだって起こり得るのかもしれない。
例えば世界に俺と彼女たちしかいなくなってしまえば、彼女たちを踏みとどまらせていた何かが壊れてしまう可能性だってある。
「……ま、そんなのは」
そんな、世界に自分たちしかいなくなるなんて、それこそ都合のいい夢だろう。
目蓋を閉じる。
……眠りはいつにもまして深い。
遠野志貴はこのまま、ありえない夢を見る———
……眠りはいつにもまして深い。
遠野志貴はこのまま、ありえない夢を見る———