田舎の長崎にいるときには、東京がこんなに寒い土地だなんて想像も出来なかった。水たまりが凍ったり、雪がたくさん降ったりするのは、もっと北の方の話だと思っていたのだ。
あまりの寒さに、上京したての頃は玉ねぎみたいに重ね着して歩いてた。また、空気も乾燥しているので、肌がひどく荒れ、風呂上がりに乳液かなんかつけたら顔中がかさぶたを剥いだように痛い。これはとんでもない所へ出て来た、同じ日本でこうも違うとは、とすっかり悲しくなってしまった。
しかし月日が経つうちに寒さに慣れ、やたらと着込むこともしなくなった。乾燥の方は、加湿器を使ったり、自分の肌に合う化粧品を見つけたりして、これもなんとか慣れた。私は東京の冬に順応した、というわけです。
しかしそれにつけてもこの冬は寒い。ちっとも風邪が治んないわ。あとはのどだけなんだけど、あんまし長いんで、自分が本当はどんな声をしてたか忘れちゃったじゃありませんか。