風邪の季節になると、体温計は何処へやったっけと捜すことがある。以前、面白がってデジタル式のを二種類買ったけど、片方は電池が切れてしまい、片方はどっか行っちゃった。電池はどんなのかなと開けてみると、小さくて特別なやつ。めんどくさくなって結局昔ながらの水銀のを一本買ったのだが、これと似た現象を友人の家でも見た。
その家は、もとパン屋でもあり、皆パンが好きでほとんど毎日食べている。電気製品も好きで、パン焼き機だってしまいこまれず活躍してるし、またしょっちゅう新しいオーブントースターを買っていた。ところがオーブントースター三昧《ざんまい》のあげく、最近またあの昔からある「かしゃん」とパンが上がるトースターを使っているのよ。そういえば、普通に売っているパンはやはりほとんど六枚か八枚切り。パン食の機会が多ければ、自然と戻っちゃうのかも。
というわけで「体温計とトースターは先祖返りする」。そういうの、きっと他にもあるわよね。