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私の部屋に水がある理由52

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:も て な しこの話は以前にも他の雑誌にサワリだけ書いたんだけど、私の体験した「おとこの勘ちがい」話では最も強力なもののひ
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も て な し

この話は以前にも他の雑誌にサワリだけ書いたんだけど、私の体験した「おとこの勘ちがい」話では最も強力なもののひとつではないかと思うので、もう一回、詳しく書くことにする。
それはある地方でのトークの仕事を終えた後の事だった。
私は、マネージャー(男)と一緒に、地元のお料理をご馳走になっていた。トークの相手の方は多忙のためすぐ東京へ帰られたので、私とマネージャー以外は、地元誌の女性二人に主催した会社の人男性一人。そこへ暫くしてその男性の上司にあたるAさんが現われたのだった。
「いや私も、こないだまで東京だったんですけどね」
Aさんは懐かしそうに東京での話を聞かせてくれた。自分の話に酔っているような所があったが、よくある事だし大して気にもしなかった。恒例の、
「内田さんの漫画はやはり経験から描かれているんですか?」
という質問の後も、
「いやあ、私なんかから見るとねえ、若い女性がねえ、やっぱり経験かななんて思っちゃいますよねえ」
と、少ししつこかったが、これまたよくある事なので気にしなかった。しかし今考えてみると、これはやはり伏線であった。どんなものに触れてもセックスシーンしか見えない病気にかかっている人はいるのだ。
お料理も一通りいただいた頃、Aさんは私たちをお酒に誘ってきた。
「ちょっとね、面白い店があるんですけどね、内田さんの趣味に合うかなあ」
なんてにこにこして言われ、大勢で行って面白いところなら、と思った。
「ここです、ここ。うわーいっぱいだなあ」
Aさんのあとについて入ったのは小さなスナックだった。奥には狭いフロアをぐるりと丸く取り囲むテーブル席があるが、そこが満席なため、私たちはちょうど六人掛けのカウンターに座って待つことになった。ふと、嫌な予感がした。目の端に、何かもじゃもじゃと毛の生えたピンク色のものが映っているのだ。私は反射的に、自分とAさんの間にマネージャーを座らせた。しかし奥床しい性格の彼は狭いカウンターから気持ち椅子を離れさせて座り、私とAさんはほぼ隣同士になってしまった。そして、私がさっき見た毛だらけのピンク色のものは、Aさんの手の中にあった。よく見るとそれは、女性器をかたどった縫いぐるみであった。
「ここはエッチな店でねえ。こういうの全部手作りなんですよう。ほーらこれも」
Aさんは今度は男性器をかたどった縫いぐるみを何処からか捜し出してきて、うれしそうに私に押しつけた。私はこういう、四十がらみの紳士が人に押しつけたりするんだから、これらはそんなあやしげなことには使われていない筈だと、必死で思おうとした。
 ところが、ショータイムが始まってみると、足を開きスカートをたくし上げた女性がひわいな替え歌を歌いだし、後ろにもう一人女性が猫の手の縫いぐるみをもって近づいたかと思うと、
「ウッ、ハッ」
などと歌っている女性の足の間から、男根のように突き出したり引っ込めたりしているではないか。これはえらい所へ来てしまったと思ったがもう遅い。みるみるうちに二曲目となり、今度は歌う人のほうが猫の手の縫いぐるみで、お客の股間をぐいぐい触ったりしている。私のマネージャーは可哀想にそのあとその縫いぐるみで顔を撫でられてしまった。
「内田さんの趣味に合うかなあ、ねえ……」
この場でどう振る舞うべきか、私は暫くぼんやりと考えたが、
「今日はママが休みかあ。いつもはねー、もっとすごいんですよー。アハハ……アハハ……」
などと横で言ってるAさんを悲しませるにはしのびなく、私はヤケになってカラオケで熱唱し、人の歌にも大声でヤジを飛ばして騒いできた。きっとAさんは、
「やっぱり内田さんの趣味に合ってたな」
と思ってたんだろうな……いいんですけどね……ははは……。
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