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黒い扇08

时间: 2019-12-08    进入日语论坛
核心提示:古代住居趾新宿から小田急線で約十分。代々木八幡《よよぎはちまん》駅のプラットホームに下り立つと雨はすっかり止んでいた。雲
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古代住居趾

新宿から小田急線で約十分。代々木八幡《よよぎはちまん》駅のプラットホームに下り立つと雨はすっかり止んでいた。
雲の切れ間からはうす日さえ射している。八千代はピンクの折り畳みの雨傘を小脇《こわき》に改札口を出た。
ふみ切りを渡ってガードをくぐる。バスの通っている道は、もう乾いていた。
小っぽけな洋裁店や美容院がまばらに看板をあげている道は屈折して広いアスファルトの道路へ続いている。
「やっちゃん、八千代じゃないの」
背後の声は柔らかく、まるっこかった。ふりむいて八千代も自然に微笑する。
「伯母《おば》さま……」
結城はる子はポメラニアンの子犬を曳《ひ》いていた。体格はすこぶるいい。背丈は八千代とあまり変わらないのに、横幅は房錦《ふさにしき》ばりに小肥りである。そんなスタイルのくせに毛糸であんだ、ゆるやかなツーピースが巧みな着こなしでいて何気ない。
父親が外交官で、若い時分に外国暮らしをしたせいなのかと、八千代はよく思う。八千代の母と年齢も同じくらいだし、スタイルもほぼ似たようなものだが、
「うちの母に伯母《おば》様と同じ恰好《かつこう》をさせたら、一日で降参してしまいましたわ。腰が冷えるの、足が寒い。おなかが頼りないって、そりゃあ大変……」
と、八千代はこの伯母の前で笑った事がある。
「伯母さま、ワンちゃんなんか連れて、お散歩……」
八千代は風呂敷包を持ち直した。
「なにしろ、又、肥っちゃったでしょう。結城が運動不足だって言うもんだから、朝と夕方二回にしてた犬の散歩を四回にしてみたの。十時と三時ね。犬は喜んでるけど、私はシンドくってねえ。ラビイ、ゴキゲンなのはお前ばかり……そうだわね……」
結城はる子は子犬の頭を軽くなでた。
「やっちゃん、うちへ来る所だったんでしょう。どう少しだけ一緒に歩かない。この辺りは、結城の口癖だけど、代々木野の匂《にお》いの残ってる東京じゃ貴重な場所なのよ」
「お供しますわ。いいえ、別にたいした用があって伺ったんじゃありませんの。母がおはぎを作りましたので……私、もう今どき可笑《おか》しいからって申しましたのですけど、毎年そうしているんだから、どうしてもお届けするようにってききませんのよ」
八千代が目でしめした重箱の包みを、結城はる子は覗《のぞ》き込んだ。
「本当に、そう言えば、もうお彼岸《ひがん》ね。嬉《うれ》しいわ。時江さんのお手製のおはぎはそんじょそこらにあるのとは出来が違うんですもの。結城も喜ぶわ」
一度受け取った重箱の包みを八千代へ持たせて、はる子は先に立って道路を横断した。信号がちょうど青になったものである。
バス通りを横切った所が神社の石段の下であった。白い石に「八幡神社」と刻んだ碑が石段の中程に見える。
ポメラニアンのラビイ号は心得たもので、さっさと石段をかけ上がる。散歩コースなのだろう。
境内《けいだい》はかなり広かった。樹木も多い。
「大きなお宮ね。伯母《おば》様」
八千代はかなり蕾《つぼみ》の目立つ山桜の梢を見上げた。
「やっちゃんはここへ来るのは、はじめてだったかしら」
「ええ、この下は伯母様の所へ伺う時によく通りますけれど、石段の上まで登ったのは初めてですわ」
「じゃ、古代住居趾《あと》も見たことないわね」
はる子は参道から灌木《かんぼく》の間へふみ込んだ。武蔵野の風情がなにがなしに感じられる林である。
「戦前は、木ももっと多かったし、藪《やぶ》もこんもりしていたのだけれど、ここの宮司《ぐうじ》さんがお人好しでのんびりしてるもんだから、戦後の燃料不足の時に随分、伐《き》られたり盗まれたりしちゃったのよ」
はる子はまばらな枝を眺め廻《まわ》した。春浅い林は枯葉が歩くたびにかさこそと音を立てる。
八千代は一か月ばかり前に、能条寛と歩いた修善寺の林を思い出した。ふと、気が重くなる。今日|伯父《おじ》の家を訪ねたのはおはぎを届けに来た以外に目的がある。
(別に結城の伯父様を犯人だなんて思ってるわけじゃないんだわ。ただ、あの晩、笹屋旅館の楓《かえで》の間に泊まった客が伯父様ではないこと、それだけを確かめればいいんだから……)
楓の間の客が結城慎作の筈《はず》がなかった。
(もし、伯父様なら茜《あかね》流の門下生が団体で来ていることを知りながら、八千代に逢《あ》わないでおくわけがないわ)
と八千代は思う。
「おい、やっちゃん、偶然だねえ、君も来てたのか……」
必ず部屋を訪ねて豪放な笑い方をするに違いない伯父の性格を八千代は知っている。
楓の間の客が結城慎作であり、しかも故意に八千代を避けたのだとすると……。
八千代は首をふった。
(伯父様を疑うなんて申しわけないわ)
林の中に藁《わら》屋根の古風なピラミッド型の家があった。周囲は柵《さく》がめぐらしてある。
「これが古代住居|趾《あと》よ。今から五千年くらい前の住居趾が発掘されてね。考古学の先生の指導で、その上に古代住居を復元させたんですってさ」
「いつごろ造ったんですの」
「さあ、もう、五、六年前じゃなかったかしら。発見されたのはもう少し以前よ」
子犬は柵の間を出たり入ったりしてはしゃいでいる。鎖が絡んだので八千代は首輪から鎖を解いた。
開放された子犬は、枯葉の上をころころと走った。
「ラビイ、遠くへ行くんじゃないのよ」
はる子は柵に寄りかかったまま子犬を眼で追っていた。
柵と住居趾の藁屋根との距離は二メートル位であった。入口には木の戸がついて鍵がぶら下がっているが、八千代が押すと戸はわけもなく開いた。
「鍵がこわれているのよ」
こともなげに、はる子は笑った。
「子供がイタズラしてこわしちゃうらしいわ。夜、浮浪者が泊まるといけないなんて、以前は神経質になってたけど、近頃《ちかごろ》はそんな事もないってパトロールの警官が話してたからね。それに雨の後は内部がじめじめしてとても寝られるもんじゃないそうよ」
「雨がもるんでしょうね」
八千代は藁《わら》屋根を仰いだ。
「もるよりも、藁が吸った湿気を、本当なら内で火をたいているから内側から乾かせるけど、この古代住居|趾《あと》はモデルハウスみたいなもんで、人が住んでいないでしょう。だからしけちゃうのね。藁なんか腐りも早くて保存するのが大変らしいわ」
はる子の説明は詳しかった。この神社の神官の妻女とは茶道の友人なのである。はる子のネタは大むね、その辺りから出て来たものだろう。
林を出て、八千代は伯母《おば》の後から石畳を歩いた。古風な神殿の拝殿の屋根に雀《すずめ》が数羽、遊んでいる。そう言えば林の中でもかなりな小鳥の啼《な》き声を耳にしていた。
「静かね。東京の内だとは思えないわ」
さりげなく辺りを見廻《みまわ》して、八千代は続けた。
「まるで修善寺みたいだわ」
「伊豆はいいわね」
というのが、はる子の返事であった。
「伯母様、いらしたことありますの」
「修善寺? 若い時分に一度ね。結城が連れて行ってくれたわ」
「伯父様はあの辺がお好きなのかしら」
「さあね。旅行は好きな人だけれど、近頃《ちかごろ》は忙しくてさっぱりよ」
「あのね。伯母様……」
八千代は石の狛犬《こまいぬ》の脇《わき》に背をもたせかけた。
「伯父様は昨年の十二月のはじめ頃、御旅行なさいましたかしら」
はる子は怪訝《けげん》な眼になった。
「なんで……」
「どうって事ないんだけど……私の知ってる人が伯父様によく似た方をみかけたって言ったもんだから……」
「どこで……」
「さあ、どこでって、うっかり聞かなかったわ」
「昨年の十二月のはじめ……ねえ」
はる子は神妙に首をひねって、ああと眼をあげた。
「旅行してるわ。十二月の……」
八千代は心臓がコトコト鳴り出すのを風呂敷包でそっと押さえた。
「十二月の……、ええと、あれは何日だったかな。お茶の会が護国寺であったのが十二月三日だから……四日だわ。出かけたのがね」
「四日……」
海東英次が修善寺で死んだのは十二月六日である。
「そうよ。四日から三日間ばかり京都へ行ったの。中学時代のグループが集まって、その頃《ころ》の受持の先生の墓参をしたんですって。ちょうど七回忌に当たるんだそうよ」
「京都へ……」
「底冷えのする土地へ暮に出かけるなんて、物好きだって笑ったら、墓参という殊勝な心がけを物好きで片づけられてたまるかって叱《しか》られたわ。なにが殊勝なもんですか。どうせ男ばかりの旅だもの。墓参はほんのつけ足り、女房への口実かも知れなくてよ」
「そんな……伯父《おじ》様は謹厳実直な男性ですもの……」
伯父夫婦の円満ぶりは親類中でも評判ものである。子供のないせいか、いつまでも新婚みたいに若やいだ家庭を、八千代もよく知っている。
「謹厳実直はよかった」
はる子は屈託のない笑い声を途中で止めた。
「あら、ラビイはどこへ行ったのかしら」
ラビイ、ラビイと呼び立てる声にも、子犬はなかなか現れない。
「遠くへ行く筈《はず》はないのよ。臆病《おくびよう》だから……」
「林の方かも知れないわ。伯母さま、ちょっと見て来ます」
八千代は子犬の名を呼びながら池のふちを林の方へ走った。鎖を放した責任もある。
「ラビイ、ラビイちゃん……」
あまり口馴《くちな》れないきどった名前を繰り返して古代住居の建っている林へ踏み込んだ時、
「八千代さん……」
住居|趾《あと》の柵《さく》のかげから痩《や》せぎすな男がぬっと八千代の前へ立ちふさがった。
「まあ、五郎さん……」
茜ますみの内弟子の中で只《ただ》一人の男性である。年齢はまだ二十歳そこそこだが、容貌《ようぼう》も体格も二十五、六には見える。首筋にぽつっと吹き出たニキビだけがハイティーンである。
「五郎さんったら、どうしてこんな所に」
面くらった八千代の問いに五郎も戸惑った苦笑を見せた。
「僕のアパートがこの近くなんですよ。この神社の向こうの区民会館で映画をやるって聞いたから見に来たんだ。八千代さんこそ、なんでこんな所へ来たの」
「私は伯父《おじ》の家がこの先にあるのでね。でも知らなかったわ。五郎さんがこの辺に住んでいらしたなんて……」
茜ますみの五人居る内弟子の中《うち》住み込みは久子だけで、他の四人は通いである。
「そうですか。言いませんでしたかね、代々木本町に住んでいるってこと。もう随分になるんですよ。ここに落ち付いてから……」
「代々木本町……」
八千代は軽く首をかしげた。
「私の伯父の住所は代々木初台よ」
「この神社をはさんで本町と初台が背中合わせになってるんですよ」
遠くで、はる子の子犬を呼ぶ声がして、八千代は気がついた。
「伯母の家の子犬が見えなくなってしまって、探しているのよ。ポメラニアンの、こんな小さい犬……」
「そりゃ、いけない」
五郎は周囲を見廻《みまわ》し、八千代はラビイと呼んだ。呼びながら池の方へ戻る。
池には落葉が浮いていた。三月という季節に散る葉もあるらしい。
何気なく視線が池の表面へ行って、八千代は、あらと声をあげた。
黒っぽい小さなものが水の上で動いている。枯葉がその周囲にまつわりついていた。
「ラビイだわ。ラビイが池に落ちた」
叫んでから八千代は子犬が鮮やかに泳いでいるのを見た。
「ラビイったら……」
汀《みぎわ》に走り寄って手を伸ばすと、子犬は丸くなってすくい上げられた。
「嫌だわ、お前は」
ぐしょぬれの四肢《しし》をもて余していると、五郎がズボンのポケットからハンカチを出してくれた。
「悪いわ。汚れるから……」
「かまいませんよ。どうぞ、早く拭《ふ》いてやらないと風邪《かぜ》をひきますよ」
五郎は人並みな表現をし、八千代も慌ててハンカチを受け取った。いつ洗ったのか知らないが、かなり汚れて黄ばんだハンカチである。遠慮する程の品物ではない。
「人間はセーターを着ている季節に水泳とは気の早いワンちゃんですね」
五郎はラビイの頭をそっと撫《な》でた。犬は嫌いではないが、それ程の愛犬家でもなさそうだ。
「嘘《うそ》よ。池に落葉が浮いていたんで、きっと地の上と勘違いをしてとび込んじゃったのよ」
「それにしてもそそっかしいワンちゃんだ。しかし、犬は泳げるって聞いたけど、実際に見たのは始めてだな」
ラビイ、ラビイと呼んでいたはる子の声が近づいて来た。
「あらま、どうしたというの」
はる子は八千代の腕の中のラビイを見、水と泥で汚れたハンカチを眺めた。
五分の後、
ラビイは鎖につながれ、五郎は八千代とはる子に会釈して区民会館の方へ去った。
「日本舞踊をやってる人のようじゃないね。男くさくて垢抜《あかぬ》けしてなくて」
石段を下り出してから、はる子が感想を述べた。
「どういう所の息子《むすこ》さんなの」
バスやトラックがひっきりなしに通っている広い路上をオートバイがもの凄《すご》い勢いでとばして行く。
「どういう所の息子さんって……五郎さんのこと……?」
八千代は伯母に代わって子犬の鎖を引いて歩いた。
「そうよ。だって今どきの男の子を舞踊の内弟子にしとくなんて、芸界の出身者でもない限り、珍しいじゃないの」
「そうでしょうね」
女が舞踊の稽古《けいこ》をするのは当人の趣味とか、家族の好みで、いわば嫁入り前の稽古事で済んでしまうが、男性の場合だと、いわゆる宴会の余興用に習う以外は、十中八九、この道で身をたてたいと決心してのようだ。
「五郎さんの家は九州の別府で大きな旅館をやってるんですって。私もよくは知らないけれど、五郎さんは末っ子で芸事が好きで、茜ますみ先生が九州公演をなさったとき、楽屋へ押しかけて来て、強引に内弟子になってしまったんだって話なのよ。だからお家から仕送りもあるし、内弟子さんの中では贅沢《ぜいたく》に暮らしてるほうなんでしょうね」
「やっぱり家からの仕送りがなけりゃやっていけないものなの。踊りの内弟子さんって」
「ええ、そうらしいわ。お師匠さんから頂くのはお小遣い程度でしょう。住み込みの人は食べる心配はないけど、着るものや細々したもので必要な費用は温習《おさらい》会の時の御祝儀だけではとても足りないそうよ。どうしても援助がなければ……」
「派手な世界だものね。すると、五郎さんって人なんか恵まれてるわね。小さくてもアパートに住んで、芸道|三昧《ざんまい》に大の男が暮らしてるなんて、この御時世にいい御身分だわ」
郵便局の奥を曲がり、狭くなった道を突き抜けると、大きな邸宅ばかり並んでいる。戦火を免れているから、造りは古風だが豪壮で、どっしりした建物ばかりだ。
ウルグワイという、八千代にとっては世界地図を探しても見つからないような外国の大使館もある。
その大使館の並びに満開の桜が美しいコンクリートの塀があった。石の門に出ている表札は「岩谷忠男」
「大東銀行の頭取よ。茜ますみさんのパトロンだって噂《うわさ》だけど、やっちゃん知ってる」
はる子は桜を仰いで、ずけずけと言った。
「さあ……」
八千代は曖昧《あいまい》に微笑する。噂の多い人でも自分の師匠という気持ちがあるから、伯母《おば》の前でもあまりあけすけな言い方は好まない。
ふと、昨年の暮れ、能条寛を羽田へ送った際に、茜ますみと連れ立ってフィンガーへ入った肥満体の岩谷忠男の姿を思い出した。
(彼の家……)
開き切った桜は風もないのに、花片を散らしている。
「なにしろ、相当のやり手ですってね」
茜ますみの事かと、八千代は気の重い顔をあげたが、はる子の目は「岩谷忠男」の表札を見ていた。
「学生時代から、神経質な癖に太っ腹で、おっそろしく目はしのきく人だったんですってよ。結城と同級だったの」
「まあ、伯父《おじ》様と……」
これは初耳であった。
「あら、話したことなかったっけ。この間の旅行も一緒だったそうよ」
「十二月四日の旅行がご一緒だったんですの……」
八千代は、なんとなくほっとした。伯父に連れがあればアリバイが成り立つ。
「東京からご一緒にいらしたんですか」
「岩谷さんは往復とも飛行機よ。うちの宿六はもう一人のお友達と一緒で往きだけ飛行機、帰りは急行列車、とんだ臨時支出でピイピイしちゃったわ」
子犬が歩き出し、人間はそれに続いた。
「往復ともお連れがあったの……」
安心すると同時に、八千代はがっかりもした。
すると……修善寺笹屋旅館の楓《かえで》の間に泊まった客は絶対に結城慎作ではなく結城慎作の住所を故意に使った別人とみる他はない。
(誰《だれ》……がなんのために……)
八千代は足許をみつめて歩いた。海東英次の死といい、細川昌弥の自殺といい、どこかで嘲《あざけ》っている黒い影があるに違いないと思うのだが、手がかりはシツケ糸のようにぶすんぶすんと切れてしまう。
「やっちゃん、今度の会では何を踊るの」
伯母《おば》の質問の意味を咄嗟《とつさ》に八千代は聞きそこねた。
「茜ますみさんのリサイタル、出演するんでしょう。やっちゃんも……」
茜ますみの主催する踊りの会は大きな会が年に二度あった。春のほうはお弟子さんの温習会的なもの、秋は彼女自身のリサイタルという形式だった。
「ええ、踊ります。でも演《だ》し物はまだ定っていないの。茜ますみ先生は新作の他は珍しく古典物で�道成寺《どうじようじ》�をおやりになるんだけど……」
「茜ますみさんなら男に追いかけられても、自分から男を追いかけたことなんぞ一度だってないでしょう。とんだ清姫だわ」
「だって、伯母様、踊りは別よ」
「とにかく、たいした女なのよ。その昔、二十かそこらで親子ほど年齢の違う男と恋をして、さっさと捨てちゃったって言うんだもの。やっちゃん、あんたもいい加減に踊りなんぞやめてお嫁に行かないと朱にまじわれば赤くなるって言うからね」
はる子が冗談らしく笑った時、後ろからクラクションが聞こえた。道のすみへよけた二人の目の前を、岩谷忠男を乗せた高級車は音もなく走り去った。
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