シイラは夏の魚。関東ではあまり見かけない魚で、頭がいくぶん大きく、からだが多少伸びた平たい魚です。岸には近づかず、沖で獲れ、体重六〜八キロ、体長一メートル半にも達する大魚です。大海原を回游するためか、土地ごとにいろんな名まえが付けられています。関東、東海から関西、高知にかけてはトオヒャク、トオヤク、東北と和歌山、九州ではマンビキ、マビキ、高知、西南九州ではクマビキ(九万疋)で、この魚の群れが、たて続けに釣れる意味から名付けられたといわれます。九州の一部でいうネコヅラ、新潟のメンカブリ(老大のオスをいう)は顔付きからの命名でしょう。
英語名はドルフィン、ドルフィン・フィッシュ。このことばの本来の意味は海獣のイルカ(海豚)ですが、英国の漁師や船乗りは、魚のシイラをドルフィンと呼び、英米文学には、この魚の場合が多い。以前の英和辞書にドルフィンの訳語が、イルカしかなかったためか、ヘミングウェイの名作『老人と海』の訳書には、ドルフィンがイルカと訳され、意味の通じない、奇妙な個所があったのを覚えています。
海の表層を泳ぎ、流木や、海面の漂流物、船の陰などに、好んで集まる性質があり、新潟県の出雲崎あたりでは、この習性を利用して、あらかじめ、大竹をたくさん束ねて、これを海中に定置し、人工的に日光をさえぎって、その陰を慕って群がるシイラを釣り上げるそうです。
白身の魚だけに、刺身や照り焼き、塩焼きにするとよく、水気が多いので、塩干にすると、干ダラに似ておいしい。そのほか、脂肪が少ないので、フライなどにして召し上がるとよいでしょう。
英語名はドルフィン、ドルフィン・フィッシュ。このことばの本来の意味は海獣のイルカ(海豚)ですが、英国の漁師や船乗りは、魚のシイラをドルフィンと呼び、英米文学には、この魚の場合が多い。以前の英和辞書にドルフィンの訳語が、イルカしかなかったためか、ヘミングウェイの名作『老人と海』の訳書には、ドルフィンがイルカと訳され、意味の通じない、奇妙な個所があったのを覚えています。
海の表層を泳ぎ、流木や、海面の漂流物、船の陰などに、好んで集まる性質があり、新潟県の出雲崎あたりでは、この習性を利用して、あらかじめ、大竹をたくさん束ねて、これを海中に定置し、人工的に日光をさえぎって、その陰を慕って群がるシイラを釣り上げるそうです。
白身の魚だけに、刺身や照り焼き、塩焼きにするとよく、水気が多いので、塩干にすると、干ダラに似ておいしい。そのほか、脂肪が少ないので、フライなどにして召し上がるとよいでしょう。