削り飛ぶ若きごぼうの香に満ちて みつる
土から抜きたての新ごぼうが出回っています。新ごぼうには、ヒネものにはない繊維のやわらかさと、特有の土のかおりがあります。
ウナギの蒲焼きとともに、夏のスタミナ食として、欠かすことのできない柳川なべのドジョウの相手役として、なくてはならぬものが、この新ごぼうです。土のかおりもすがすがしい新ごぼうが、ドジョウの泥臭さを消し、シャキッとした歯切れのよいごぼうの口当りが、ドショウの野趣を引き立ててくれます。
ごぼうは、地中海沿岸から西アジア方面が原産地。わが国には自生種はありませんが、平安朝のむかしから、根菜の一つとして栽培されていたらしく、延喜十八年(九一八年)に編集された『本草和名《ほんぞうわみよう》』には、「きたきす」一名「うまふぶき」と、ごぼうの古名が記されています。欧米では、ごぼうを食べる習慣が全くなく、野菜として食用に供しているのは、世界中でわが国だけです。新ごぼうの新ごぼうとしての価値は、土のかおりにあるのですから、なるべく土つきのものを買うようにしましょう。ただし、新ごぼうにかぎらず、ごぼうはきわめてアクの強いものですから、てんぷら、きんぴらごぼうなど、生の材料から調理するときは、細く切って、酢を少量落した水に十五分以上さらし、アク抜きをします。ごぼうは皮肌に、もっとも香味と栄養価のあるものだけに、皮をむかず、水にさらすときも、あまり長くさらしてはいけません。
吸いものや、炊き込みごはん、五目ずし、ときには油炒《いた》めにして、甘辛く煮ると、歯ざわりもやわらかく、アクも少なく、季節の味が楽しめます。
土から抜きたての新ごぼうが出回っています。新ごぼうには、ヒネものにはない繊維のやわらかさと、特有の土のかおりがあります。
ウナギの蒲焼きとともに、夏のスタミナ食として、欠かすことのできない柳川なべのドジョウの相手役として、なくてはならぬものが、この新ごぼうです。土のかおりもすがすがしい新ごぼうが、ドジョウの泥臭さを消し、シャキッとした歯切れのよいごぼうの口当りが、ドショウの野趣を引き立ててくれます。
ごぼうは、地中海沿岸から西アジア方面が原産地。わが国には自生種はありませんが、平安朝のむかしから、根菜の一つとして栽培されていたらしく、延喜十八年(九一八年)に編集された『本草和名《ほんぞうわみよう》』には、「きたきす」一名「うまふぶき」と、ごぼうの古名が記されています。欧米では、ごぼうを食べる習慣が全くなく、野菜として食用に供しているのは、世界中でわが国だけです。新ごぼうの新ごぼうとしての価値は、土のかおりにあるのですから、なるべく土つきのものを買うようにしましょう。ただし、新ごぼうにかぎらず、ごぼうはきわめてアクの強いものですから、てんぷら、きんぴらごぼうなど、生の材料から調理するときは、細く切って、酢を少量落した水に十五分以上さらし、アク抜きをします。ごぼうは皮肌に、もっとも香味と栄養価のあるものだけに、皮をむかず、水にさらすときも、あまり長くさらしてはいけません。
吸いものや、炊き込みごはん、五目ずし、ときには油炒《いた》めにして、甘辛く煮ると、歯ざわりもやわらかく、アクも少なく、季節の味が楽しめます。