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たべもの歳時記128

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:さつまいも 若月紫蘭の『東京年中行事』九月暦に、「九月にも入って少しく冷気が立つと、本場の川越は勿論、諸方から薩摩芋の新
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さつまいも

 若月紫蘭の『東京年中行事』九月暦に、「九月にも入って少しく冷気が立つと、本場の川越は勿論、諸方から薩摩芋の新物が盛に輸入される。そして一年中を打《ぶ》っ通しの焼芋屋は勿論のこと、夏の間を氷屋と化けておった焼芋屋は、冷気と共にいつの間にやら逆もどりをして、ほやり/\と火気の立つのを店頭に並べている。少しく涼しい夕方などになると、これらの芋屋の店頭には洟《はな》垂れ娘、小僧、子守、おさんどんなどを始めとして、裏店《うらだな》の神さん、小役人の奥さんまでがどし/\と詰めかけて群をなしつつ、二銭三銭ずつ投げだしてはお芋の焼けるのを一生懸命で待っている。寒くなるに従って、こうしたお客は次第に殖えて行くので、雪の降る晩だとか空ッ風の寒い晩などになると、役所帰りの小役人や書生なんどが懐ろに押し込んで、両手を暖めながら、香ばしい匂いに生つばを湧かしつつ帰って行くというようなことは、絶えずきく話である」(平凡社・東洋文庫版)
紫蘭の描いた「焼芋屋」は、明治後期のものですが、戦前までは、東京、地方を問わず、あちこちで見かけた風景でした。近頃は、手軽に、いろいろなお菓子が手に入るため、間食用に焼きいもに手を出すひとは少なくなっています。
米とくらべると、同じ面積で、一・六倍の人間が食べられるという効率のよいもので、江戸時代以降ずっと、日本民族の食糧難を救ってきた「救荒食物」です。ビタミンB1、C、カロチンも多く、Cでくらべるなら、秋のくだものの六倍ぐらいあり、ごはんとさつまいもでは、同じ量を食べてもさつまいものほうが太りません。「太るからいやだ」と若い女性が敬遠なさる理由は、さらさらありません。ふかしいもにするほか、きんとん、精進揚げにしてどうぞ。
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