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たべもの歳時記129

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:みる貝  たゆたゆと船揺れ止まず海松《みる》の岸 香舟女この句で、お分りのように、みる(海松)は、浅い海の岩礁に着生する
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みる貝

  たゆたゆと船揺れ止まず海松《みる》の岸 香舟女
この句で、お分りのように、みる(海松)は、浅い海の岩礁に着生する緑色の海藻で、むかしは食用にして、用いられたようですが、いまではあまり顧みられず、せいぜい駆虫剤などに使われる程度です。ミル貝の棲むところに、この|みる《ヽヽ》が多く生じ、しばしばこの貝の水管上に、ふさふさと着生することがあるので、この貝が|みる《ヽヽ》を食べるわけでもないのに「ミルクイ」(美留久比)という名が生まれ、またミル貝などともいうようになりました。
『和名抄《わみようしよう》』には「水松ヲ用ヒテ美留ト訓ス、或ハ海松ノ字ヲ用ル」と記され、貝のほうも漢字で「水松貝」「海松貝」と書いて、ミルガイと読ませています。
アオヤギと同じバカガイ科の一種で、この二枚貝は、殻が厚く固く出来ていて、前後の端が開き、とくに後方は卵形の大きな口を開いていて、そこから巨大な水管を突き出しています。この水管を出して、あたりを探るように動くさまは、ちょっと海のカタツムリといった恰好。
水管の長さは、殻長と同じくらい(十〜十二センチほど)で、食用とするのは主にこの水管ですが、黒色の皮をかぶっていて、シワが多く、甚だグロテスクな感じがし、これだけ見ていると、トンと食欲は起きません。貝柱や肉や、外套膜《がいとうまく》を味わう貝は、数多くありますが、水管を主に食べるのは、おそらくミル貝だけでしょう。ミル貝は生食するものだけに生きのよさが身上。塩でみがいて、黒い固い表皮を剥《は》ぎ取り、タテに水管を割いて洗い、さっと霜降りすると、乳白色の身に、ほんのり赤味がさして来ます。特有の甘味があり、刺身にすると、しこしこした歯ざわりが楽しめます。刺身以外に、酢のもの、すしダネにして喜ばれます。
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