つぼ買い
ウメぼしを入れるつぼを買おうと、ある日のこと、きっちょむさんがセトモノ屋へやってきました。
「ごめんなさい。つぼを一つください。ウメぼしを入れるつぼです。」
きっちょむさんはいうのですが、セトモノ屋のおばさん、てんで、きっちょむさんをあいてにしません。本なんか読んでいて、
「そこにならんでるから、見てください。」
そういうばかりです。そこで、きっちょむさん、その店さきをながめました。なるほど、つぼがたくさんならべてあります。しかし、みんな口を下にし、底を上にして、ふせてあります。きっちょむさんは、そんなことには気がつかず、フシギそうな顔をして、
「おばさん、こりゃみんな口なしのつぼじゃないですか。」
そういいました。すると、おばさんがやはり本を読みながら、
「ひっくりかえしてごらんなさい。」
そういいました。きっちょむさんは、そこで、つぼをひっくりかえして見て、こんどは、もっとビックリしました。
「なんだ、このつぼ、底もないじゃないですか。」
口を底とまちがえたのです。
「ごめんなさい。つぼを一つください。ウメぼしを入れるつぼです。」
きっちょむさんはいうのですが、セトモノ屋のおばさん、てんで、きっちょむさんをあいてにしません。本なんか読んでいて、
「そこにならんでるから、見てください。」
そういうばかりです。そこで、きっちょむさん、その店さきをながめました。なるほど、つぼがたくさんならべてあります。しかし、みんな口を下にし、底を上にして、ふせてあります。きっちょむさんは、そんなことには気がつかず、フシギそうな顔をして、
「おばさん、こりゃみんな口なしのつぼじゃないですか。」
そういいました。すると、おばさんがやはり本を読みながら、
「ひっくりかえしてごらんなさい。」
そういいました。きっちょむさんは、そこで、つぼをひっくりかえして見て、こんどは、もっとビックリしました。
「なんだ、このつぼ、底もないじゃないですか。」
口を底とまちがえたのです。