返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

「まさか」の人に起こる異常心理39

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:孤独感と自罰傾向が死を希求 うつ状態に陥った人の心中に巣くっているのは孤独感と自罰傾向である。これが死を願う心理に通じる
(单词翻译:双击或拖选)
孤独感と自罰傾向が死を希求

 うつ状態に陥った人の心中に巣くっているのは孤独感と自罰傾向である。これが死を願う心理に通じる。内向した攻撃性が自己に向けられるのである。うつは、たぶん人類とともに末永く歩んでいくであろう。したがって、みずからを消し去る行動も無になることはあるまい。だが、死はやっぱり敗北と言わざるをえないケースが多いから、一人でも自殺者が減ってくれることを祈りたいのだ。
私はうつ状態を「神様が休養をお命じになった」と考えているので、広義の休養が対応の中心になると思う。重要なことは、自殺は病気がやや快方に向かったときに起こりがちなことだ。症状が軽くなると、周辺の者は安心して通院をやめさせたり、薬の服用をかってに中断させたりするが、これは危険な行為である。自殺は大きなエネルギーを要するから、病気が少しよくなったころが危険なのである。
もう一つ、えてして家族や友人が激励することが少なくないが、「ああしろ、こうしろ」などのさしず、干渉はやってはいけないことのトップに位置する。うつは往々にして、配置転換、退職、昇進、離婚、肉親の結婚、入学、借金、リストラ、そして無視を含むいじめなどの変化を契機に発生しやすいことを心にとどめておきたい。
 一九〇三年(明治三十六年)五月二十二日、旧制一高生の藤村操が、「不可解」の文字を書き残して華厳の滝に飛び込んだ。一高教授の夏目漱石は『草枕』の中で、この教え子にふれ、「余の視《み》るところにては、かの青年は美の一字のために、捨つべからざる命を捨てたるものと思う」と述べた。ところで茂吉はこの事件に関していかなる感想を持ったか。当時、同じ一高生だった茂吉が友人にあてた手紙の中で、ある程度うかがい知ることができよう。
 ……君よ、藤村の死を羨しとおもひ給ふ事なかれ……分らざるが為めに生きて居て何の不都合かある彼の昆虫を見ずや蠢々として動けり彼宇宙の真相を解せるか。然も彼は生きて居るなり而して何の不都合かある……ショウペンハウエル曰く、『戦はずんば勝ちなし』と……日輪の光をも仰ぎ夕顔の花白く咲く時あるものなるを死する迄〓がむ。死せば其迄の事なり、後は空々寂々土と化するのみ……
 さらに、茂吉は「是処に至りては哲学者などは屁の役にも立たず候。(日本の似而非哲学者)」とかなり思いきったことを書いている。これは茂吉が現実的、即事的な思想の持ち主であることを物語っているが、それが茂吉の本質なのか、養父、紀一の感化なのか、よくわからない。
いずれにしても、人に迷惑をかけない自殺などはありえない。自殺はけっして美学ではないのだ。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论