返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

「まさか」の人に起こる異常心理63

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:ヒステリー 神経症概念に含まれるヒステリー(ヒステリア)という病名は子宮(Hystera)から起こっている。古代ギリシャの医聖
(单词翻译:双击或拖选)
ヒステリー

 神経症概念に含まれるヒステリー(ヒステリア)という病名は子宮(Hystera)から起こっている。古代ギリシャの医聖といわれたヒポクラテスは、体内で子宮が動き回るために発生する婦人病と考えたのである。もちろんヒステリーは男性にも存在するが、やはり女性に多いというのは古代ギリシャの人も気がついていたのであろう。
今、われわれの眼前に展開するヒステリーの身体症状、ケイレン発作、身体が弓なりになる後弓反張、失立、失歩、精神症状としてのもうろう状態、意識喪失などは、つきもの、もののけ、魔女などと結びついた時代もあったのだ。
そして、S・フロイトによって精神分析学的手法による神経症の分類、概念が確立していったのである。
ヒステリーという病気は心因性の病気である。フロイトはヒステリーの本質を、疾病への逃げ込みだとしている。ヒステリーは疾病へ逃避することによって、自己を防衛し、なんらかの利益を得るのだという。疾病への逃避は無意識下に、または半意識下に行われる。これが意識的に行われれば病気とはいえない。仮病になる。
ヒステリーという病気は、運動麻痺、ケイレン、感覚麻痺などの身体症状、意識障害、記憶喪失、もうろう状態などの精神症状を呈することで、心の葛藤から逃避し、自己の心的欲求を代償的に満足させる状態をいうのだ。
ヒステリーの症状は総じて派手で演技的であるが、「症状を発症することによってなんらかの得をする病気」と表現することもできる。自己中心的で、自己防衛機制の強い病気ということもできる。
かつて私が大学病院にいたころ、ある会社の社長が入院してきた。病気は進行麻痺だった。毎日、かいがいしく病院に来て病人を看護したのは本妻ならぬおめかけさんだった。その二号さんは派手な人でヒステリー性格を思わせた。社長は治療もかなわず、ついに息を引きとった。おおぜいの親族の目の前で彼女は悲しみのあまり(と見えた)、ケイレンを起こして卒倒した。その悲しみように打たれて、本妻も同情し、彼女はかなりの遺産を手に入れたのである。疾病への逃避によって得をした典型的なケースではあるまいか。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论