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「まさか」の人に起こる異常心理71

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:夏目漱石は人格障害か 前にも書いた都立松沢病院の名物患者、葦原将軍は、のちに大学教授など名を成した多くの精神科医が主治医
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夏目漱石は人格障害か

 前にも書いた都立松沢病院の名物患者、葦原将軍は、のちに大学教授など名を成した多くの精神科医が主治医になったが、それぞれ診断名が異なり、病名が一致しなかったことも書いた。
また最後の担当医となった私の叔父も、死後の彼を解剖したが、確たる脳の所見も発見できなかったことも書いた。それほど診断のむずかしい症例だった。
同じように、各人各説を出して診断名の確定していない人に夏目漱石がいる。
漱石にはご存じのように、生涯三回の精神的変動があったといわれる。漱石はみずから神経衰弱と称している。
第一回は漱石二十七、八歳のころで、抑うつ気分、厭世感、過敏、かんしゃく、他人の行動に対する曲解、他人の自分への注察感、自分を探っているスパイがいるなどの被害妄想的な解釈の症状があり、それからの逃避とも見える都落ち、つまり松山中学への奉職を実行する。松山でも下宿の者をスパイと思ったりした。
その後の熊本時代は、夫人のヒステリー症状がはげしく、卒倒や後弓反張、自殺企図などがあって、彼を悩ませた。
第二回は三十六、七歳ごろ、ロンドン留学時代である。英国人がみな自分を悪罵している、下宿の者が自分を監視している、つけねらっているなどの被害関係妄想が中心で、下宿では暗い部屋に閉じこもって泣いたりしていた。留学生仲間も、日本人会のメンバーも、漱石の精神病を信じた。帰国のときは、奇しくも私の祖父、紀一と同じ船であった。
帰国したあとも夜中、突然激昂して物を投げつけたり、「自分の頭の中でいろいろなことを創作して、私などが言わない言葉が耳に聞こえて、それが古いこと新しいことといろいろに連絡して、幻となって眼の前に現われるものらしく……」(松岡譲筆録『漱石の思い出』)といった幻覚を思わせるような症状があらわれたりする。
また「このころは何かに追跡でもされてる気持ちなのかそれとも脅かされるのか、妙にあたまが興奮状態になっていて、夜中によくねむれないらしいのです。夜中、不意に起きて、雨戸をあけて寒い寒い庭に飛び出します。……」
松岡譲の記すところによれば「とにかく、すべてのものが彼を追跡し、脅迫し、探偵し、そうして敵対する」といった状態であった。
呉秀三教授が漱石を診て、追跡狂、妄想性痴呆としたのはちょうどそのころであった。この時期に限って漱石を診断すれば、大多数の精神科医は呉秀三同様、精神分裂病圏に属するものと考えただろう。
第三回はすでに『吾輩は猫である』が刊行されて七、八年後の四十六歳のころで、『彼岸過迄』が公にされたあと、前回にくらべればそれほど重くはなく、連載中の『行人』の執筆を一時休止したのも主として身体的理由からであった。
漱石の病気については、葦原将軍と同じく実にいろいろの見解がある。ある時期はうつ的であったり、ある時期は分裂病的であったりする。また両者が共存する時期もある。
伊東高麗夫氏の「抑うつ妄想症候群」、千谷七郎、加賀乙彦氏の「内因性うつ病」、春原千秋氏の「非定型精神病」、塩崎淑男氏の「敏感関係妄想型の人格反応」、それに鹿子木敏範氏の「人格反応」など病名も実ににぎやかだ。
鹿子木氏の論点は、漱石は粘り強い精神力の持ち主で、いかなる苦悩の時期でも精神活動を続けていたから過敏で弱々しい神経衰弱ではないこと、精神変調の時期以外には人格変化のくずれは認められないから精神分裂病ではないこと、周期性は認められるが、精神運動抑制や気分の日内変動や、その他内因性うつ病の基本的指標に乏しいから内因性うつ病ではないことに重きをおいている。
そして氏によると、漱石は生後すぐ貧しい古道具屋に里子に出されたが、実父に過酷な扱いを受け、さらに養子に出された先の義父母の別居、実母と十三歳で死別するなど、乳幼児から絶えず不安定な状況におかれたために、強い不安や警戒心の習性が培われ、複雑な執着性格が形成され、過度の責務や緊張感が持続した場合、これが内因の変化を誘発して、内因反応性の妄想様状態を生ずるようになった。そのために内因性精神病とも心因反応とも決められない精神変調であるから、やはり人格反応のほうを重視すべきである、と推論している。
私は漱石の性格を粘着性、執着性、それに神経質が混在したものと考える。性格の背後にいつもちらついている猜疑心、警戒心はあまり幸福でなかった幼児体験から自己防衛的に形成されたものであろう。
結局、漱石の病気は、「人格反応」「人格障害」という説に軍配を上げたいが、どういうものか。「天才の精神病は常に非定型である」と昔から言い古された言葉が念頭にちらつくのである。
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